Advanced Micro Devices(AMD)のフラッシュメモリ部門であるSpansionは米国時間14日に、携帯電話/ネットワーキング機器向けの次世代フラッシュメモリチップ「MirrorBit」の発表を予定している。AMDはフラッシュメモリの分野で長年のライバルであるIntelをリードしているが、同社は今回の新チップの発表で、その差がさらに広がると自信を見せる。
AMDは、富士通との合弁事業としてスタートしたSpansionを買収したことで、市場シェアでIntelを抜いたとの試算もある。
Spansionの最高経営責任者(CEO)Bertrand Cambouは、AMDがIntelから顧客を奪いながら成長を続けられている1つの要因として、AMDがIntelに比べコストを安く抑えている点を挙げる。
市場調査会社iSuppliによると、NOR型フラッシュメモリ市場では昨年、AMD製が総生産量の24%を占めたのに対し、Intel製は23%だった。またiSuppliは、2004年にはAMD製が28%とシェアを伸ばすのに対し、Intelは17%へとシェアを減らすと予測している。またAMDも独自の推計を発表しているが、それによると携帯電話向けフラッシュメモリ市場では、同社のシェアが42%であるのに対しIntelが25%と、同社がIntelを追い抜いているという。
Cambouは「(AMD製品は)Intel製品に比べ、(メモリの)1ビット当たりのコストが大幅に安い」と述べ、さらに「(Intelの市場シェアは)25%でも多すぎるくらいだ」と語った。
Intelは、携帯電話用フラッシュメモリ市場で(AMDに次ぐ)第2位に順位を下げたとの指摘に対し激しく反論しながらも、自社に努力の余地があることは認めている。
Intelの広報担当者は「わが社は昨年のフラッシュメモリに関する失敗を洗いざらい公表してきた」と述べた上で、「すでにわれわれはこの問題に対処している。この点については、今後のわが社のビジネスを見れば分かってもらえるだろう」と語った。
さらにコスト/性能の両面で優れているMirrorBitチップの発表により、AMDは、通常ならSamsungや東芝といったNAND型フラッシュメモリメーカーが獲得するはずの設計上の優位を手にする可能性もある。
フラッシュメモリは、データの保存方法によってNOR(n or)型とNAND(n and)型の2種類に分けられる。NOR型は、より信頼性が高く、アプリケーションやオペレーティングシステム(OS)の保存に利用される。一方のNAND型はNOR型に比べデータエラーの発生頻度が若干高いが、より密度が高く低価格である。NAND型は楽曲やデジタルカメラで撮影した画像を保存するためのメモリカードに使用されている。
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