Intelがフラッシュメモリ分野での首位返り咲きを切望している。それも、一瞬のうちに、だ。
Intelのフラッシュ製品グループディレクターPeter van Deventerによると、昨年フラッシュメモリ市場で首位から第4位へと転落した同社では、現在戦略の見直しを進めており、幅広い顧客向けにさまざまなフラッシュメモリを製造することで、首位奪還を目指していくという。
この新戦略により、Intelは現在の市場リーダーであるSamsungと直接競合することになる。Intelは、メモリカードへのデータ保存用に適した低価格のフラッシュメモリの生産を開始することになっているが、この種の製品はSamsungが得意とする分野だからだ。
Intelは今のところ、ソフトウェアの保存用に利用される、信頼性は高いが高価なタイプのフラッシュメモリに特化している。Samsungもまた、コード保存用に自社製メモリを宣伝しているところだ。
「我々は自社技術で市場の大部分を獲得できるだろう。データ市場のシェアの大半を確保するまでの過程が見える」(van Deventer)
ことフラッシュメモリ製品に関する限り、Intelのにとって昨年は決して絶好調といえる1年ではなかった。かなりの品不足を予想した同社は、2003年初頭にフラッシュメモリ用チップの価格を最大で40%も引き上げた。ところが品不足は発生せず、Nokiaをはじめ、携帯電話メーカーの顧客が次々に他社へと乗り換えていったと、van Deventerも認めている。
Intelはまた、NAND型フラッシュメモリの人気上昇も予想できなかった。NANDフラッシュは、データ保存用に使われる低価格の製品で、MP3プレーヤーや、ソニーのメモリースティックをはじめとする各種ポータブルフラッシュカードに搭載されている。この技術を使った製品の出荷台数は2003年に倍増し、Samsungや東芝などのNANDメーカー各社の業績を押し上げた。
Intelは、初期状態のまま保存する必要のあるオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションなどのデータ保存用に利用されるNORフラッシュを製造している(NANDやNORは、チップによるデータの記述方法を指す)。NORフラッシュの出荷数も増加したが、NANDほどではなかった。おまけにIntelは、NORメーカー第2位および第3位だったAMDと富士通がフラッシュメモリ事業を合併すると、NOR製品分野でのリードまで失ってしまった。
そして12月になると、フラッシュメモリ事業部トップだったIntel幹部のRon Smithが、突然同社を退社してしまった。
「こうしたすべての事柄が、同じ年に集中してしまった」(Van Deventer)
フラッシュメモリ分野での巻き返しをはかるため、Intelはまず、90ナノメートル製造プロセスを利用したチップの生産を開始する。現在の130ナノメートルプロセスから90ナノメートルプロセスへ移行することで、チップの大きさが約半分となり、その分コストを削減できる。
90ナノメートルプロセスで生産したチップのサンプルは4月に登場予定で、また第2四半期には大量生産が始まる。これらのチップの初期製品では、1メモリセルあたりの保存容量が1ビットしかない。
これに対して、1メモリセルあたり2ビットの情報を記録できるチップ--いわゆるStrataFlashチップは、2004年中にサンプル出荷となると、Van Deventerは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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