米Advanced Micro Devices(AMD)と富士通が、フラッシュメモリ業界に新たな歴史を残そうとしている。
両社は米国時間の7月14日、両社のフラッシュメモリ事業を1つに整理統合し、それぞれの製品を「Spansion」という単一ブランドで販売するためのジョイントベンチャーを正式に立ち上げた。
FASLというこの新会社は、フラッシュメモリの販売に特化する。フラッシュメモリチップは、携帯電話やPDA(個人情報端末)をはじめとする幅広い電子機器でデータを記録するために利用される。
FASL設立は、1993年以来フラッシュメモリに共同で取り組んできた両社の10年に及ぶ関係が、今その頂点にあることを示している。AMDと富士通によると、景気の下降に直面した両社が、主に製品開発の合理化とコスト削減を進めるため、今回のジョイントベンチャー設立に至ったという。AMDと富士通が最初に両社のジョイントベンチャー設立計画を発表したのは、3月のことだった。
チップの開発と製造を共同で行っていた両社だが、営業部隊については別々に競争しており、アナリストは価格の引き下げ競争が頻発していたとする。両社はまた、製品を販売する地域についても厳しく定めており、これに従って業務を展開していた。
AMDでは、FASLが幅広い種類のフラッシュメモリを投入し、両社にとって新しい市場セグメントを切り開いてくれる可能性があることも示唆している。
FASLは、7000人の社員、2カ所の製造工場(テキサス州オースチンにあるAMDのFab 25を含む)、そしてAMDおよび富士通の両社のチップ技術を武器に、有力ベンダーとしての市場参入を目指す。
FASLのCEO(最高経営責任者)、Bertrand Cambouは、「われわれはSpansionフラッシュメモリを、メモリ市場における傑出したブランドにするつもりだ。Spansionブランドは、我が社の顧客企業にとっての新たな地平と可能性を象徴しており、より付加価値が高く、他社との差別化が計れる製品を生み出すのに役立つだろう。顧客、次世代技術、プロセスデザイン、そして一貫生産のそれぞれに注力することが、フラッシュメモリ業界の国際的リーダーとしての我が社が頭角を現すことにつながるだろう」との声明を出している。
FASLにとって最大のライバルとなる可能性が高いのはIntelで、同社はさまざまなフラッシュメモリ製品を発売している。
AMDは新会社の60%の株式を保有し、フラッシュメモリの売上げを引き続き自社の四半期決算報告に盛り込んでいく。一方の富士通は、カリフォルニア州サニーベールを本社とするFASLの株式40%を保有することになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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