コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は6月8日、2004年度第一回通常総会の開催に合わせ、都内で記者会見を開催した。説明に立った同協会専務理事の久保田裕氏はファイル交換ソフトウェアWinnyの開発者が逮捕・起訴された問題に関して、あらためてACCSの立場を説明した。
久保田氏はまず、「サービスや技術自体が違法だという立場には立っていない」とした上で、「今回の事件で幇助罪が成立するかについては、刑法理論に当てはめて該当するかどうかを判断していかざるを得ない」と話す。
ACCSの判断基準として久保田氏が挙げたのは、
コンピュータソフトウェア著作権協会専務理事の久保田裕氏 |
---の3点。これらが事実として検察側によって立証されるのであれば、幇助罪として成り立つとの認識を示した。
さらに久保田氏は、事実が証明されたときに言えることだとしながらも、Winnyに対する個人的な見解を紹介した。「著作権制度は民主的な手続きを経て成立している。その中で1人の天才技術者が、制度に対して技術的にテロのような状況を起こすことには怒りを禁じ得ない。非常に非民主的な行為だと考えている」(久保田氏)
「これから冒頭陳述が行われて公判が始まるだろう。そこでどのような事実が開陳されて、裁判所によって判断されていくのかを待って、協会としても具体的なコメントをしていきたい。場合によっては、開発者のモラルの問題についても言及せざるを得ないだろう」(久保田氏)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」