米国時間18日、Red Hatが最新のLinux製品をリリースした。このFedora Core 2は、新機能を試したいマニアや開発者向けに設計された同社製Linuxの無償バージョンだ。
Fedoraは、同社の法人向け製品であるRed Hat Enterprise Linux(RHEL)への搭載に向けて新技術を熟成させるための実験台として設計されている。Fedoraは無償でダウンロードできるが、Red Hatや、IBMおよびOracleといったハードウェア/ソフトウェアパートナー各社からの長期サポートは受けられない。
Fedora Core 2の新機能としては、マルチプロセッサマシン向けに動作が高速化および改善されたLinuxの最新コードである2.6カーネルや、許可されていない操作の実行を難しくしたSecurity-Enhanced Linuxなどがある。Red Hatでは、これらの機能は2005年初頭に登場予定のRHEL 4に組み込まれると話している。
Linux販売最大手のRed Hatは、製品ラインを分割してFedoraとEnterprise Linuxのいずれかの選択を迫り、一部Linuxファンを苛立たせた。Fedoraは、無償だが、未完成かつ未サポートであり、これに対してEnterprise Linuxの方は完成され、サポートも付くが、ベーシックバージョンで年間350ドルのコストがかかる。しかし同社は、最新のアップデートを切望するアーリーアダプター向けと、変化も実験台になることも好まない保守的な法人向けとに製品を分割した方が、それぞれのLinuxユーザー層にうまく対応できると主張している。
同社は現在、マニアへの対応に関して、Novellから新たなプレッシャーを受けている。Novellでは、電子メールソフトウェアや管理ユーティリティなどの各種プログラムをオープンソースパッケージとしてリリースしている。
RedMonkのアナリストJames Governorは、「Red Hatはオープンソースの実績を作り直す必要がある。今のところは、Novellの方がオープンソースを重視しているように感じられる」と話している。
オープンソースプログラマーとの良好な関係はLinux企業にとって重要だ。彼らは潜在的な顧客であるというだけでなく、Linuxベンダー各社が頼りとするソフトウェアの開発に直接携わる場合も多いからだ。
しかし、なかにはRed Hatに満足しているプログラマーもいる。ニューメキシコ州ロスアラモスに本社を置き、主に技術に精通した研究者にLinux搭載コンピュータを販売するLos Alamos ComputersのCTO(最高技術責任者)Gary Sandineもその1人だ。
同氏はインタビューに応え、「いままでのところ、Fedoraは自分が目にしたRed Hat Linuxのどのリリースと比べても同等かそれ以上だ」と語り、主な改善点としてセキュリティアップデートの対応が迅速になったことや対応ソフトウェアが充実したことなどを挙げた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス