Microsoftは、同社がライバル各社に提供するWindows通信標準のライセンスプログラムについて、期間の延長を提案した。これは、同プログラムが機能するまでに時間がかかりすぎたという批判に対処するための動きと見られる。
このプロトコルライセンス契約は、Microsoftが米司法省や複数の州との間で合意した2001年の和解のなかでも、重要な項目の1つにあたる。しかしその後、規制当局はこのライセンスプログラムの条件について繰り返し懸念を表明してきており、これを受けてMicrosoft側でもこれまで何度かプログラムを改訂している。
Microsoftの弁護士らは米国時間21日、ワシントンDCで開かれた進捗状況確認のための聴聞会に出席し、同社にはプログラムの期限を当初の和解条件より2年延期して、2009年11月までとする用意があると連邦判事に語った。
「われわれが一部の問題に対処するのに時間を要したので、司法省や各州はこのプログラムへの懸念を表明していた。この事実を踏まえ、われわれはプロトコルライセンス供与プログラムの期間を2年間延長することを提案した」とMicrosoftの広報担当Stacy Drakeは述べている。
この提案に対し、司法省は賛同の意を表明した。同省は、このプログラムに関する問題に対処するためにMicrosoftが費やした時間が、当初予定していた5年間の技術公開期間に食い込んだことに懸念を表明していた。また同省は、Microsoftには、次期バージョンのサーバOS「Longhorn Server」用のプロトコルもライセンス供与する計画があると述べた。
Microsoftはここ数カ月の間に、このプログラムの内容を何度か改訂しており、直近では1月、その前には2003年8月にも改訂があった。
「われわれはこのプログラムに対し何度も大きな変更を加え、また無数の改善や調整も行ってきた。これは、このプログラムをライセンシーにとって出来るだけ魅力的なものにしたいというMicrosoftの意気込みを強調するものだ」(Drake)
現在、このプログラムには14社が参加しており、直近ではSun MicrosystemsとTime Warnerが新たに加わったことを、Microsoftは先週明らかにした。2社とも、Microsoftとの訴訟について和解した後の参加となった。さらにMicrosoftは、電子認証会社GeoTrustがWindowsプロトコルのライセンシーとしてプログラムに参加したことも明らかにした。
ボルチモア大学で法律を教えるRobert Lande教授は、マイクロソフトのこうした動きが、米国だけでなく欧州の規制当局を念頭に置いたものとの可能性を指摘している。Microsoftは、プロトコルの公開期間を延長することで、欧州では規制を行う必要はないとする米国側の規制当局の主張を後押ししようとしていると、同氏は述べている。
「Microsoftは、同社との和解合意のなかですべての問題を処理したとする司法省に対して、その主張を支えるための材料を与えようとしているようだ」(Lande)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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