米司法省は16日(米国時間)、Microsoftが、Windowsの通信プロトコルを公開するという、2002年に出された独禁法訴訟に関する和解合意の内容を完全に履行していない、との懸念を表明した。
司法省は、連邦地裁判事Colleen Kollar-Kotellyに提出した18ページの書類の中で、MicrosoftのCommunications Protocol Programは和解内容を十分に満たすことを「怠って」おり、「さらなる努力が必要だ」と述べている。
Microsoftは、7年間に及ぶ独禁法訴訟を解決するためのこの和解のなかで、Windows 2000 ProfessionalやWindows XPで使用されている通信プロトコルをすべて公開し、有料ライセンスで利用できるようにすることに合意していた。ライセンス料は、サードパーティーの開発会社が販売するアプリケーションによって異なり、1コピーあたり8ドルから950ドルの幅がある。
司法省は16日の提出書類のなかで、契約の簡素化や、より簡単にライセンス料を計算できる方法を開発するなど、「ライセンスプログラムにさらなる改善を施す必要があると判断した」と述べている。同省は「Microsoftが(こうした懸念に対応するため、プログラムに)さらなる変更を加えることに同意した」ことを認めている。
Microsoftは、司法省と共に提出した同社の提出書類のなかで、同社が「最終判決に基づく義務に完全に従うことを最優先事項としており、今後もこの遵守に必要な作業に相当なリソースを割り当てていく」と述べている。
Microsoftはまもなく、「これまでよりかなり簡潔な」ライセンス契約をリリースし、より単純なコスト体系のもとで、約20以上のプロトコルを公開する、と述べている。
Microsoftは2002年に、独禁法訴訟を解決するために、ブッシュ政権との間で和解に合意し、Kollar-Kotelly判事もこれを承認した。この和解合意では、今後Microsoftの行為に対する監督をどう継続させるかについてのスケジュールも定められている。次の聴聞会は今週開かれる予定だ。
また16日にはマサチューセッツ州政府が、Microsoftがデスクトップ市場での独占状態を不当に利用し、検索エンジンやAdobe Acrobatなどの文書フォーマットに圧力をかけている疑いがあると主張した。マサチューセッツ州は、Microsoftに対する反トラスト法違反裁判において、現在も連邦裁判所で係争している唯一の州政府だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」