Apple Computerは米国時間4月18日、放送局やデジタルビデオ編集者向けのソフトウェアを5種類発表した。今回発表となったソフトウェアには、視覚効果やHD(High-Definition)ビデオ編集に関連するツールなどが含まれる。
米国ラスベガスで開催中の年次カンファレンス「National Association of Broadcasters(NAB) Conference 2004」で、AppleはHDビデオをサポートする編集ソフトウェアFinal Cut Proの最新版を発表した。また、新製品となる特殊効果ソフトウェアの「Motion」も発表した。競合製品に比べて廉価なMotionは、Adobeなどが支配するビデオ編集市場を変える可能性がある。
「注意していないと、HDはハイエンド市場だけのものになってしまう」とAppleのアプリケーションマーケティング担当バイスプレジデントRob Schoebenは述べ、高価なハードウェアと編集ソフトウェアを必要とするHD番組制作の現状に言及した。
「Appleは、だれもがビデオの制作や編集でプロ並みの結果を得られるよう、クリエイティブおよびプロダクションのプロセスを変えたい」(Schoeben)
Appleによると、Final Cut Proは既に約25万人の編集者に用いられているが、バージョン4を使用するユーザーは今回無償でアップグレードできるという。それ以外のユーザーは同製品を999ドルで購入できる。なお、Motionは今年夏に出荷を予定しており、価格は299ドルとなる。
同社はほかにもSAN(Storage Area Network)ファイルシステム「Xsan」を発表し、エンタープライズ向けのメディア管理市場に参入した。現在ベータ版まで開発が進んでいる同ソフトウェアは、この秋に正式版がリリースされる。XSanは、Windows/Linux/Unixを用いる企業で、異なる作業グループが同一のメディアにアクセスできるように、メディアの格納とファイル管理を行うソリューションだ。
Xsanの価格はコンピュータ1台当たり999ドルで、この価格は競合他社が提供するSAN技術の3分の1相当だとSchoebenは説明している。
またAppleは、Shakeの名で知られるデジタル映像ソフトウェアをバージョン3.5にアップグレードした。新バージョンでは、これまでより多くの特殊効果作成ツールを映画制作者に提供する。価格は、MacOS X版が2999ドル、Linux版が4999ドル。
さらにAppleは、DVD Studio Proのバージョン3も発表した。5月に499ドルで発売されるこのソフトウェアはプロ向けのDVD作成ツールで、新バージョンでは新たにHDをDVD圧縮標準のMPEG-2に変えるAppleのエンコードとデコード技術を搭載している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」