BEA SystemsとVeritas Softwareは、ユーティリティコンピューティング関連の提携を強化する契約を締結した。
米国時間12日に発表されたこの提携により、両社のエンジニアグループは今後協力を進め、企業のデータセンターのなかで双方の製品がよりよく連携するよう改善を進めていく。また、双方の営業担当部門間での協力関係構築を目的としたマーケティングおよびセールスに関する共同の取り組みも行う。
両社は、技術面で緊密に連携することにより、両社のユーティリティコンピューティング向け製品の魅力が高まると述べている。ユーティリティコンピューティングとは、電気やガスと同じように、利用したコンピューティングリソースの分だけ料金を支払うというもの。
両社の幹部は、各々が自社より規模の大きな他のベンダーに対抗するうえでこの提携が役立つと説明した。IBMやSun Microsystems、Hewlett-Packard(HP)はいずれも、データセンターの業務を効率化し、コストパフォーマンスを向上させることを目的とするユーティリティコンピューティングの取り組みを進めている。BEAはウェブポータルなどのビジネスアプリケーションを動作させるためのソフトウェアを販売。一方Veritasはストレージやサーバなどのインフラ管理用ソフトウェアを販売している。
BEAの最高技術責任者(CTO)代理のBenjamin Renaudによると、BEAとVeritasはともに、特定のハードウェアプラットフォームに対する利害を持たない点で他の大手ベンダーとは異なるという。
「各ベンダーのアプローチには、劇的な違いがある。つまり一方には、1社ですべてのソフトウェアを提供し、しかもそれが自社のプロプライエタリな製品ばかり、というやり方がある。そして、もう一方には、ユーザーに選択の余地を残し、現在所有しているソフトやこれから所有する可能性のあるソフトを組み合わせて使えるようにするというアプローチがある」(Renaud)
両社は、各々の製品をよりよく連携させることで、タスクへのリソース割り当てが効率よく行えるようになると予想している。
企業では、ひとつの目的のためだけに専用のハードウェアとソフトウェアを購入することも多い。Veritasのユーティリティコンピューティング用ソフトは、このようなリソースを1つにプールし、必要に応じて各タスクに割り当てることができる。これにより、たとえば四半期末には財務処理に割り当てるサーバやソフトウェアを増やすといったことが可能になる。
両社の製品を組み合わせることはすでに可能だが、今回の提携強化で、Veritasのユーティリティコンピューティング用ソフトとBEAのWebLogicがさらに緊密に連携することになると、両社の幹部は説明している。
この提携のもとで、BEAとVeritasは詳細な技術情報を提供し合い、Veritasのソフトウェアプロビジョニング用製品であるOpForceと、WebLogicとの連携を強化する。OpForceはVeritasがJareva Technologiesという新興企業を買収して手に入れた技術。両社はまた、VeritasのJ2EE対応製品Indepthを改良し、WebLogicで発生する可能性がある障害に対する耐性を向上させる。IndepthはVeritasがPrecise Softwareから手に入れたものだ。
「両社の技術を統合することで、さらに優れた管理機能を提供し、またエンタープライズアプリケーション環境のTCO削減を実現する」とVeritasのArya Barirani(ソリューションマーケティング担当ディレクター)は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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