IBMは、世界中にある同社のデータセンターで高性能なソフトウェアと柔軟なサービスを導入する計画を進めており、ユーティリティコンピューティングサービスをめぐる競争で、さらに掛け金をつり上げようとしている。
IBMは今後1年間で、世界各地にある32カ所のデータセンターで、最先端の管理ソフトウェアやツールを導入すると、同社はCNET News.comに語った。この新しいソフトウェアが導入されると、IBMは顧客にさまざまな種類のサービスをアラカルト形式で提供できるようになり、自社のユーティリティコンピューティング戦略に拍車がかかるだろう、と同社は説明している。
IBMは、技術やサービスをパッケージ化した「Universal Management Infrastructure(UMI)」により、さらに高度で比較的利ざやの大きいサービスを販売できるようになる。UMIでは、単にIBMのデータセンター内で顧客のサーバを預かるのではなく、フルスケールのアプリケーションホスティングから、顧客の要望に応じてIBMのデータセンターがアプリケーションや機器をリモートから管理できるハイブリッドな形のものまで、さまざまなサービスを提供することが可能になる。
IBM eビジネスホスティング部門のゼネラルマネージャー、Jim Corgelによると、同社はUMIの柔軟な管理ソフトウェアによって、オンデマンドな形でのホスティングサービスを提供できるようになるという。つまり、顧客は急激な需要増に対応するために、利用分にだけ料金を払う形で処理能力とソフトウェアを購入できるようになるわけだ。
時々の需要増にあわせてコンピューティング能力を追加し、利用分にだけ料金を払うというのは、IT業界全体が思い描いているユーティリティコンピューティングのビジョンにとって、重要な部分だ。このビジョンによると、各顧客企業はコンピューティング能力を、電気やエネルギーと同じような形で購入できるようになるという。
「UMIのおかげで、世界中にあるデータセンターから大量の命令や制御を行えるようになる。32カ所のデータセンターは互いに同期しているが、IBMではこれらすべての拠点でこのアップグレードを行なうことを計画している」(Corgel)
コロラド州ボールダーにあるIBMのデータセンターでは、UMIアップグレードがすでに済んでおり、同社は今後、北米の他の施設やヨーロッパ、アジアでもアップグレードを行なう計画だ。
UMIをベースとする高度なサービスのおかげで、IBMはユーティリティコンピューティングサービスを世界中でより積極的に展開しでき、IBMと同様にこのサービスの有力プロバイダの座を狙っているHewlett-Packard(HP)やElectronic Data Systemsなどの競合他社を引き離せるだろう、とアナリストらは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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