SAPジャパンは12日、同社の統合アプリケーションプラットフォームの最新版となるSAP NetWeaver 2004を発表した。従来個別に出荷していたコンポーネントのバージョンアップをすべて同時に行い、サポートパッケージとともに単一の製品として出荷する。
SAPジャパン代表取締役社長の藤井清孝氏は、「(企業の業務手順やITの標準化を進めて効率よい組織運営を図るという)エンタープライズアーキテクチャが注目されているが、それを実現するためのインフラが整っているとはいえなかった。NetWeaverはエンタープライズアーキテクチャを実現するもので、柔軟性、適応性、オープン性のある基盤を提供することでコスト削減に結びつくものだ」という。
SAPジャパン代表取締役社長 藤井清孝氏 |
現在NetWeaverの各コンポーネントの全世界での導入件数は、エンタープライズポータルが2500件、ビジネスインテリジェンスが7500件、エクスチェンジインフラストラクチャが300件、モバイルインフラストラクチャが275件、ウェブアプリケーションサーバが2000件、ソリューションマネージャーが1500件と、「1年間で倍増した」(SAPジャパン バイスプレジデント マーケティング・ソリューション統括本部長 玉木一郎氏)という。日本国内での導入件数は、限定的な顧客に対 する出荷であったためワールドワイドの数字と比べるとわずかなものだが、それでも「着実に増加傾向にある」と玉木氏はいう。
NetWeaver 2004は統合性が強化されており、異種混合のIT環境下でも拡張が容易となる。また、SAPおよびSAP以外のシステムを含むIT環境全体のソフトウェアを集中管理するためのツールが用意されている。同製品はまた、ひとつの筐体に複数の構成要素をインストールすることが可能だ。さらに、RFIDをサポートしたことも大きな特長となっている。
SAPジャパンでは、NetWeaver 2004の発表を機に、NetWeaverの製品情報やビジネスプランを共有してNetWeaverビジネスを加速することを目的として「SAP NetWeaverパートナー・コンソーシアム」を結成した。今年2月より参画企業を募り、現時点で70社が同コンソーシアムへの参画を表明しているという。具体的な活動としては、製品開発の早期段階で市場ニーズについての意見交換を行い、製品へのフィードバックを行うことや、製品出荷に際して顧客企業の導入プロジェクトで必要な技術情報を共有したり、導入事例・構築テクニックなど実践的な情報共有を行うこと、セミナーなどを通じて広く情報を発信し、市場の活性化を図ることなどだ。
パートナー企業には、同社のグローバルパートナーであるアクセンチュア、アビームコンサルティング、ベリングポイントをはじめ、テクノロジーパートナーである富士通、日本ヒューレット・パッカード、日本IBM、マイクロソフト、サン・マイクロシステムズなどが含まれる。ベリングポイントの営業統括本部長 高浜成行氏は、「わが社ではNetWeaverを戦略プロダクトと位置づけ、700名以上のNetWeaverコンサルタントを養成したり、NetWeaverによる各種ソリューションの開発を行うなど、さまざまな取り組みを始めている」と語った。「NetWeaverは従来のERPの領域を超えたビジネス価値を提供できるものだ。顧客のビジネスの速度を向上し、IT投資のROI(投資対効果)を向上させるものとして積極的に提案していきたい」(高浜氏)
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