米Microsoftで中小規模法人およびパートナーグループ担当のシニアバイスプレジデントを務めるオーランド・アヤラ氏。同氏は中小規模企業(SMB)向けの市場に対し、「今後非常に成長する市場だ」と見ており、Microsoftとしてもこの分野で20億ドルの投資を行っている。Microsoftはこの市場に向け、どのような取り組みを行っているのか。来日中のアヤラ氏が記者を前に説明した。
アヤラ氏は、Microsoftが同分野で強みを発揮できる理由のひとつとして、豊富な資金力をあげる。ひとつの分野に20億ドルの投資が行えるのは、やはり年間売上高が300億ドルを越える企業ならではだろう。その投資の一部として、日本でもWindows Small Business Server 2003を今年1月に発表した同社だが、「この製品シリーズは世界各国で15万本以上売れている。この数字はMicrosoftの製品群のなかでもかなり成功したといえる。日本でも最初の1カ月のライセンスの伸び率は、前回のバージョンを発表した時と比べて144%だった」とSMB市場向け主力製品の現状を紹介した。
Microsoft中小規模法人およびパートナーグループ担当シニアバイスプレジデント、オーランド・アヤラ氏 |
またアヤラ氏は、パートナーとの健全なエコシステムも、同社が順調に業績を伸ばすうえで欠かせない要素だと語る。アヤラ氏によるとMicrosoftのパートナーは全世界で6万5000社。この数は「世界最大級」だとアヤラ氏は述べ、パートナーの重要性を語った。同社では、パートナーに対する教育を施したり、ロードマップを共有できるよう同社の方向性を明確に示すなど、パートナーに対しても十分な投資を行っているという。
さらに同社では、特定のソリューションを要望する顧客がその分野の資格を持つパートナーを簡単に探し出せるようなコネクションマーケットプレイスを開設するという。そこでパートナーは得意分野を明確にアピールでき、顧客の範囲も広がる。これは日本でも開設が予定されており、「日本のパートナーも世界に向けてソリューションが提供できるようになる」とアヤラ氏はいう。
アヤラ氏は、「中小企業ではシンプルで安価な製品を望んでいる」とし、SAPやOracleのアプリケーションは高価で複雑すぎると述べる。「Microsoftの製品は非常にシンプルなため、パートナーから“仕事がなくなる”と言われるほどだ。これをSAPやOracleの製品の何分の一という価格で提供できるのは、中小企業にとって魅力的だろう」(アヤラ氏)
Microsoftでは、アヤラ氏の率いるビジネスソリューショングループの売上を2010年までに100億ドル規模にすると見積もっているが、これについてアヤラ氏は、「金額にはあまりこだわるつもりはないが、この市場が急成長していることは確かで、数十億程度のビジネスに成長することは確実だ」としている。なお、2003年度の同部門の売上は5.5億ドルと、100億ドルにはまだ長い道のりだ。
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