「今度こそ本気」、Windows Small Business Server 2003日本語版が登場

藤本京子(CNET Japan編集部)2004年01月28日 17時07分

 マイクロソフトは28日、中小規模企業を対象としたサーバ製品、Windows Small Business Server (SBS) 2003日本語版を発表した。SBSシリーズに対してこれまで消極的な態度を示していた同社常務執行役の眞柄泰利氏も、「今度こそ本気だ」と意欲を見せる。

 マイクロソフトはこれまでにも、Windows NTをベースとしたSBS 4.5、Windows 2000をベースとしたSBS 2000など、中小規模企業対象の製品を市場投入してはいたが、顧客への直販チャネルを持つ米国はともかく、日本ではパートナー各社の関心も浅く、

マイクロソフト 常務執行役 眞柄泰利氏
「マイクロソフトが勝手に(SBSを)提供しているというイメージがあった」と眞柄氏。通常のWindows Server製品がサポートするアプリケーションがSBS版ではすべてサポートされるわけではないといった制限も存在し、眞柄氏もこれまでは「自信がなかった」と明かす。

 このような背景から同社は、SBS 2000を日本市場に投入した際にも、マーケティング活動には消極的であった。だが今回発表されたSBS 2003は、Windows Server 2003ファミリーの5つめの製品という位置付けで、同社がWindows Server 2003のDatabase EditionやEnterprise Editionなどと同等にSBS製品に力を入れはじめたことがわかる。これまで一度もSBS製品の発表会場に姿を見せなかった眞柄氏も、「経済状況が上向いてきたことや、ブロードバンドなどのインフラが整ったこと、さらにパートナー各社の熱意がこれまでとは違うこともあり、今こそ中小規模企業の市場に本気で取り組む時だと感じている」という。

 マイクロソフト代表執行役社長のマイケル・ローディング氏も、「中小規模企業にとってIT導入における課題は、予算が少ないこと、社内にシステム運用要員がいないこと、情報システムに関する知識がないことであった。だがブロードバンドやサーバ機器も今では低価格化が進み、政府もIT投資減税を導入するなど、投資環境は良くなったといえる」

マイクロソフト 代表執行役社長 マイケル・ローディング氏
と述べ、「SBS 2003は、サーバの複雑さを軽減したものだ。導入を簡単にし、リモート管理機能でパートナーがメンテナンスすることも容易になった。これは顧客やパートナーの声を反映した結果だ」とアピールする。

 各ハードウェアベンダーからも、非常に安価な価格でSBS 2003搭載サーバが発表された。富士通は、IAサーバPRIMERGYの低価格エントリーモデルとしてECONEL 30を発表、17万8000円からという価格で提供する。NECからも同様に、IAサーバExpress5800/Gモデルにおいて、SBS 2003搭載のExpress5800/110Gaを製品化、従来のOSプリインストールモデルに比べて「21%低価格」(同社)の13万8000円で提供する。デルのPowerEdge SCシリーズからは、最小構成価格8万9800円の製品が登場し、日本ヒューレット・パッカードは、台数限定ではあるものの、SBS 2003プリインストールモデルのHP Server tc2120を最小構成価格8万8000円からという価格で200台販売する。

 ローディング氏は、「マイクロソフトは、昨年11月に全国IT推進計画IIを打ち出すなど、中小規模企業に向けた取り組みを積極的に行ってきた。SBS 2003は、多くの顧客の声を聞き改良を加えたものだ。中小規模企業がITをうまく活用できるよう、これからも支援していきたい」と述べた。

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