デル(日本法人)は、エンタープライズ事業を強化する。Unixで業務システムを構築している大企業を中心に、IAサーバへの移行を促す。これにより、国内IAサーバ市場でのトップシェアを狙う。
デルは、IAサーバなどを連携させ、システム全体のパフォーマンスを向上させる「スケーラブル・エンタープライズ戦略」を展開してきた。今回の取り組みはこれを強化するもので、デル・プロフェッショナル・サービス(DPS)による移行支援プログラム「UNIXマイグレーションサービス」を5月より開始する。デルが今まで手がけてきた事例から移行プロセスを抽出し、短期間での移行を可能にしたという。
デル代表取締役社長の浜田宏氏 |
デル代表取締役社長の浜田宏氏によると、現在同社の事業のうち80%がエンタープライズ向けという。2003年の国内IAサーバ市場において、デルのシェアは約18%で、NECに次ぐ第2位の座にある。今回の新サービスによってIAサーバの売上を拡大し、シェアを拡大したい考えだ。
デルでは、SunのSolarisサーバを中心に移行を訴えていく。デル エンタープライズ・システムズ・マーケティング本部 本部長の多田和之氏は、「今まで多くのベンダーがメインフレームからUnixへの移行を訴えてきたが、メインフレームとUnixはアーキテクチャが大きく異なる。そのため、移行には膨大なコストがかかっていた。しかしUnixはハードウェアやOS、ミドルウェアなどが水平統合されているため、IAへの移行コストがほとんどかからず、短期間で大きな効果を出すことができる」と狙いを語る。なかでもSolarisは他社のOSに比べてIAに近く、移行がしやすいのだという。多田氏は「2004年はUnixからIAへの移行元年になる」と自信を見せた。
デルが提供するサービスは主に3つ。Unixストレージ環境のデータ移行と統合、ERPやデータベースのインフラの移行、顧客が開発したアプリケーションの移行だ。同社ではインテルやマイクロソフト、オラクル、EMCなどとパートナーシップを組み、共同でシステムを構築するという。
運用・保守についても強化する。今年後半には、ミッションクリティカルなシステムに向けた運用・保守サービス「プラチナサービス」を新たに開始する。デルでは従来、障害が起きた後の対応のみを行っていたが、プラチナサービスでは障害を未然に防ぐための取り組みを行う。具体的には、顧客ごとに専任のエンジニアがつき、定期的な顧客との打ち合わせやレポート提出などを行うとしている。
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