Dellは、EMCの子会社で、柔軟なサーバ運用を可能にするソフトウェアの開発元VMwareと、踏み込んだ提携契約を結んだ。この契約により、DellはIBMやHewlett-Packard(HP)に追いつけると期待している。
両社が米国時間8日に明らかにしたところによると、この提携で、Dellは2プロセッサ搭載のPowerEdge 1750と4プロセッサ搭載のPowerEdge 6650の両サーバに、VMwareのESX Serverソフトウェアを搭載して販売することになる。さらにDellは、VMwareのVirtualCenterソフトウェアを自社のOpenManage管理ソフトウェアに統合した。両社は同製品について、EMCとDellが共同で販売するストレージシステムとの互換性を認定している。
「今回の発表により、Dellは我が社との関係において、IBMやHewlett-Packard(HP)とほぼ同レベルに並んだ」とVMwareのマーケティング担当バイスプレジデント、Michael Mullanyは述べ、さらに「これで我が社の製品を採用するDellの顧客が大幅に増加すると思う」と付け加えている。
VMwareのソフトウェアは、1台のサーバを「バーチャルマシン」と呼ばれる複数のパーティションに区切ることで、いくつものオペレーティングシステムを同時に動かせるようにするもの。この技術によって、1台のサーバが複数のジョブを処理できるようになるが、これはほとんどアイドル状態にある大量のローエンドシステムに代わる便利な機能だ。
VMwareは、MicrosoftのVirtual Serverソフトウェアと競合しているが、ただし後者は依然としてテスト段階にある。また、Microsoftの同ソフトウェアはWindowsのバーチャルマシンしか動かすことができない対し、VMwareならLinuxも動かせる。
VMwareの「VMotion」というソフトは、あるサーバ上にあるバーチャルマシンを、動作させたままの状態で別のサーバに移すことも可能にする。このような技術を利用すれば、実行中のタスクをより多くのリソースを持つサーバに移動したり、比較的処理の少ないジョブを保留して優先度の高いジョブを実行するといったことが可能となる。
この種の柔軟性は、ユーティリティコンピューティングの概念の一部となっている。ユーティリティコンピューティングでは、計算処理用のハードウェアを、変化するビジネスニーズに合わせて素早く自動的に調節し、また大規模データセンターでは複数のタスクを巧みに処理できるようになる。このビジョンが実現した場合、顧客は計算処理能力に関する必要量と優先度の高さに合わせてコストを支払うことになる。
Mullanyによると、VMware製品はDellのソフトウェア/周辺機器グループが既に販売しているが、サーバグループの製品との統合により、同ソフトウェアがDellの主力製品の扱いになるという。これまではVMwareがすべて提供していた顧客サポートについても、今後はDellが大半を提供するようになるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス