Adobe Systemsは米国時間18日、2004年度第1四半期の決算を発表。PDF関連のビジネスが成長したことで、売上高、利益とも大幅な増加を記録した。
同社は3月5日締めの第1四半期に、1億2300万ドル(1株あたり50セント)の純利益を計上。前年同期の純利益は5420万ドル(1株あたり23セント)で、またReutersが調査したアナリストの平均予想額は1株あたり40セントだった。
一方売上高は、前年同期の2億9690万ドルに対し、同四半期は4億2330万ドルとなった。
同社幹部はこの結果について、Adobe Creative Suiteの売上が引き続き好調に推移したためと説明している。昨年リリースされた同製品は、人気の高い画像編集用アプリケーション「Photoshop」の最新バージョンを含むもの。
18日に行われた電話会議の中でAdobeの経営陣が語ったところによると、Creative Suiteの売上はAdobeの同四半期の売上高の15%以上を占め、スタンドアロン版Photoshopのそれを上回ったという。
同社のShantanu Narayen(製品担当エグゼクティブバイスプレジデント)はインタビューの中で、「包括的なプラットフォームアプローチのメリットについては多くの顧客から話が出ていた」と話している。
一方、広く普及しているPDF関連の製品を扱うインテリジェントドキュメント事業部でも、堅実な売上の伸びを記録した。Adobeは現在、電子書類の交換用途で既に普及しているPDFを、ビジネスデータ交換用の一般的フォーマットとして定着させるべく、大規模なキャンペーンを展開中だ。同社はまた、PDFを電子書式用フォーマットとして強化し、さらに書類を安全に管理するためのサーバソフトウェアも追加している。
Narayenによると、PDF関連のサーバ製品の売上は前四半期比38%の伸びを記録。Microsoftが新たに出したInfoPath電子フォーム製品で顧客の一部を奪うとの恐れがあるにもかかわらず、Adobeは大企業の新規顧客を引き続き獲得しているという。同氏によると、PDFとInfoPathの市場には現在も明確な違いがあるという。
「我々が重視し、また強みを持つのは、法的な規制を受けている業界だ。こうした業界では、ファイヤウォールの外で行われるビジネス上のトランザクションが重要で、多くの顧客は既に大量のPDF文書を扱っている。我々の環境では、Microsoftを目にする機会はそれほど多くはない」(Narayen)
同社の幹部らは、個人ユーザー向けのビデオ編集ソフトを新たに出す計画があることも示唆した。これはPhotoshopに対するPhotoshop Elementと似た位置づけになるものという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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