Microsoftは23日(米国時間)、InfoPathで初めてとなる大型アップデートのトライアルバージョンをリリースした。InfoPathは、Officeシリーズの1つとして昨年新たにリリースされた、電子フォームアプリケーションだ。
Service Pack 1(SP1)のベータバージョンには、通常の性能改善やバグ修正だけでなく、重要な新機能も複数含まれている、とMicrosoftのプロダクトマネージャー、Bobby Mooreは述べている。InfoPathアップデートの最終バージョンは、6月末リリース予定のOffice 2003 SP1に含まれる見込みだ。
通常、Microsoftの大型製品の最初のサービスパックリリースは、そのソフトウェアが広く普及できるだけの安定性を得たことを意味する重要な通過点と考えられている。しかし、Office 2003や関連アプリケーションでは、IT管理者がソフトウェアをバックエンドのシステムと関連付けるのに時間がかかるため、SP1の意味するところはそれほど大きくない、とアナリストらは指摘している。
InfoPathは、Office 2003で初登場した2つのアプリケーションの1つ。InfoPathは、企業データベースなどのシステムと自動的に情報交換する、インタラクティブなフォームを作成するためのソフトウェアで、主に企業顧客向けとして、Office 2003の「Professional」バージョンに同梱されている。
Microsoftは、InfoPathについて、主に社内でのデータ収集・共有を改善するためのツールと位置づけている。これに対し、Adobe Systemsなどいわゆる電子フォーム市場の競合企業は、フォームの社外配信の課題に取り組んでいる。
InfoPathアップデートには、デジタル署名の利用が拡張されたほか、MicrosoftのタブレットPCにある手書き認識や他の要素の完全サポートなどの新機能が盛り込まれた。またアップデートされたInfoPathでは、ユーザーはフォームを中央のサーバから取得しなくても、電子メールの添付ファイルとして交換することが可能となる。
さらにこのアップデートでは、MicrosoftのVisual Studio.NetやVisual Basic環境の新スクリプトサポートなど、開発者向けの大きな変更点もあるという。また新バージョンでは、XML(拡張マークアップ言語)のスキーマのサポートが強化されている。XMLは、InfoPathや他の電子フォーム製品のベースとなる言語だ。
「今までは、複雑なスキーマを扱うのが困難だった」とMooreは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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