ボストン発--Sun Microsystemsは、Microsoft Officeユーザーの乗り換えを容易にするべく、同社のStarOfficeデスクトップソフトウェアへの新ツール追加を計画している。
同社は今年中にStarOfficeのアップデートを出荷する予定だ。このアップデートには、Microsoft Officeで作成されたマクロをStarOffice用に変換するコンバータが含まれると、Sunのソフトウェア部門エグゼクティブバイスプレジデント、Jonathan Schwartzはボストンで開かれた記者会見で述べた。
またSunは、StarOfficeなどSunのJava Desktop Systemのプログラムが稼動している企業ネットワーク上のコンピュータを、リモートから管理できる新ツールを今夏までにリリースすると、Schwartzは語った。
同社グループマーケティングマネージャーのManish Punjabiによると、これらの新ツールの狙いは、MS OfficeユーザーにOfficeに代わる低コストな選択肢としてStarOfficeを捉えてもらう上での、あらゆる技術的障害を取り除くことだという。
Sunによると、マクロ変換ツールは、Microsoft Excelで記述されたマクロを、StarOffice Calcで認識・利用できるような形式に変換する。StarOffice Calcは、StarOfficeバンドルに同梱されている表計算ソフト。
マクロとは、販売手数料の計算やドキュメントの整形など、繰り返しのタスクや時間のかかるタスクを表計算シートやワープロソフトで自動処理する際によく用いられる、小さなプログラムのこと。こうしたマクロを書くために必要となる時間や技術を考え、多くのユーザーは別のデスクトップパッケージへの乗換えに消極的になりがちだ。
現在、ExcelのマクロをStarOfficeに変換するには、人間が手で書き直すしか方法がない。このことが「StarOfficeへの乗換えに対して大きな障害となっていた」とPunjabiは説明した。
Sunでは新しいマクロツールによって、この障害が取り除かれると期待している。「移行の問題は、大きな、重大な問題だ。特に金融業界など、一部のユーザーは自分でマクロを書く傾向があり、そうしたマクロは非常に複雑になる場合がある」(Punjabi)
同様に、現在適切な管理ツールがないことも、StarOfficeにとって競争上の弱点とされていた。Sunによると、新たに発表となるリモート管理ツールは、今年半ばにリリース予定のJava Desktop Systemリリース2に同梱されるという。このツールは、管理者が次のような管理を行えるよう設計されている。
StarOfficeは、ワープロや表計算など、事務作業でよく使われるプログラムを集めたバンドル製品で、主にMicrosoftのOfficeスイートと競合するものだが、MS Officeはデスクトップ用ソフト市場の90%以上を支配している。
Sunでは、このMS Officeの支配を切り崩そうと、1999年にStarOfficeを無料で配布し始めたが、しかし今日まであまり芳しい成果は上げていない。
Schwartzは、MS Officeユーザーを転向させることの難しさを認めた。大企業で働く、もっとも進歩的な「ナレッジワーカー」と呼ばれる人々には、とりわけこの点が当てはまるという。「これらのユーザーはStarOfficeがターゲットとする人々ではない。彼らは梃子でも乗り換えようとはしない」(Schwartz)
代わりに、Sunでは政府や学術関係の分野で働く人々、さらにはMS Officeに付属する全ての機能を必要としないような職種のユーザーに狙いを定めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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