Dellは、サーバの設計に関しては、Intelと最も関係の深いパートナーだが、著名な調査会社の予想によると、同社はブレードサーバの標準化作業では同チップメーカーやIBMとは提携しないという。
IntelとIBMは、いくつかのシステムを共同開発することで、ブレードサーバ環境を整備を狙っている。そして、DellのCEO(最高経営責任者)Michael Dell自身も、業界に対してブレードサーバの標準化を呼びかけたことがあった。
しかし、市場調査会社Gartnerの予想では、Dellは他社とは異なる方向に進むという。同社アナリストのJohn Enckによると、Dellは「再びほかのどれとも異なる」製品を手に、今年後半に市場に再参入するという。
この動きが現実のものとなれば、Dell、IBM、Hewlett-Packard(HP)、Sun Microsystemsの4大サーバメーカーから、それぞれ互換性のない設計のブレードサーバが登場することになる。そして、こうした互換性の無さからは長期にわたって影響を及ぼす問題が生じる。それは、ブレードサーバのきょう体が耐久性を考慮して設計されているためだけでなく、各社が独自にハードウェアパートナーを集めるようになるからだ。
この件に関して、DellとIntelの関係者はコメントを控えており、この動きを正式に認めていないが、事情に詳しい情報筋はDellが実際に参加を断ったと示唆している。
ブレードの生態系構築
ブレードサーバは薄型のシステムで、書物を本棚にしまう要領で、シャーシにスライドさせて装着する。電源や外部へのネットワーク回線などの共有コンポーネントはシャーシに搭載されている。シャーシには、サーバのほかにも暗号のアクセラレーションやネットワーキング用のブレードといった各種機器を装着することが可能で、ブレードサーバは「モジュラーコンピューティング」の一例だとする意見が多くなっている。
IBMのBladeCenterといったブレード用のシャーシは、ほかのコンポーネントも収納することができるため、ネットワークスイッチを設計するベンダーなどは研究開発やマーケティングの予算を確保できるベンダーのブレードモデルを選択する必要がある。
ForresterのアナリストBrad Dayは、Dellは研究開発に関してIntelに大きく依存しているが、同社はIBMのブレード構想に重点を移すことが我慢できないのだろうと語った。
「DellはIntelとは非常に強力な関係があるものの、同社がこのアーキテクチャを受け入れられないのはIBMとの関係があるためだ」(Day)
しかも、IBMの標準をDellが支持することは、DellよりもIBMにとって有益になる。
「BladeCenterを検討している人が、最初にIBMを採用しようという気持ちを強めるだけだ」(Day)
調査会社IDCによると、全世界でのブレードサーバの市場規模は小さく、2003年のサーバ市場全体の売上443億ドルに対して、ブレードの売上は5億8300万だったが、しかし現在急速に成長中で、2003年度の売上の伸びは前年度比548%を記録した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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