Hewlett-Packardは米国時間8日、これまでと同じスペースに2倍の台数のデュアルプロセッサを格納できる、さらに薄型のブレードサーバを新たに発表する。
HPによると、BL30pというこのサーバは6月末までに出荷となる予定で、価格は現行のデュアルプロセッサ搭載機BL20pよりも低く設定されるという。なお、両システムともIntelが新たに出した「Prestonia」世代のXeonプロセッサを利用している点は変わらない。
BL30pでは、10.5インチの高さのラックに最大16機までのシステムを格納することが可能。これに比べて、IBMから出ている売れ行きナンバーワンのブレードサーバBladeCenterは、12.25インチの高さのラックに14台までデュアルプロセッサ搭載サーバを格納できるようになっている。
ブレードサーバは通常、本棚の本のように立てて並べるか戸棚の皿のように水平に重ねるかして、1つの筐体のなかに収容される。この筐体には、すべてのブレードが共有する電源や外部ネットワーク接続などのコンポーネントが含まれている。
現在HPとIBMはブレードサーバ市場での首位争いを繰り広げており、その後をDellとSun Microsystemsが追いかける格好となっている。
市場調査会社のIDCによると、2003年にはIBMがブレードサーバの売上トップとなり、HPの1億7900万ドルに対して、2億200万ドルの収入を記録した。同社は第3四半期にHPから首位の座を奪った。
将来は、ブレードサーバが現在のスタンドアロンサーバ市場の多くを奪うとみる人間が多い。しかし、Robert Marshはこうした考えに納得していない人間のひとりだ。EV1Servers.netというウェブホスティング会社のCEO(最高経営責任者)であり「サーファー頭」を自認する同氏は、現在のブレードは高すぎて購入できないと述べている。
「ブレードの購入を検討したことはあるが、導入関連のコストが多くかかり、格納スペースや消費電力、空調などで得られる節約分をはるかに上回る」と、同氏は先週行われたインタビューのなかで述べていた。「ブレードはハイエンド向けのソリューションにはなるかもしれないが、ローエンド向けのエントリーレベルの製品を自分で管理する場合は、あまり魅力的な選択肢とは思えない」(Marsh)
こうした発言を聞いても、Marshを見くびっていけない。EV1Servers.netは現在およそ2万台のサーバを運用しており、データセンター拡張の一環として、Dellのデュアルプロセッサ搭載サーバを新たに3500台購入したばかりだ。これだけのマシンを運ぶには75台のトラックが必要だったという。
IntelのXeonやAdvanced Micro devices(AMD)のOpteronといったチップを採用したx86サーバ市場全体で首位の座にあるHPは、将来のブレード発売も計画している。同社は今後Intelから登場する「Nocona」(開発コード名)バージョンのXeon搭載サーバを、同チップの発売に合わせて2004年第2四半期に出荷する。また、HPでは第3四半期にOpteronベースのブレードも出荷する計画だと同社幹部は2月に述べている。
Noconaは64ビット拡張機能を搭載したIntel初のx86チップとなる。すでにOpteronでは実装されているこの機能拡張によって、Noconaは32ビットチップでは限界となっていた4Gバイトのメモリの壁を乗り越えることになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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