デルとインテルの仲を切り裂くブレード--IBMとの「三角関係」で - (page 2)

Stephen Shankland (CNET News.com)2004年03月17日 12時23分

 市場の成長速度の点では、標準化された機器のほうが、そうでない場合よりも有利だと考えるコンピュータメーカーは多い。だが、標準化は難しいバランスを取りながら進めなくてはならない作業だ。

 標準ができれば、ハードウェアの部品供給業者は、多くのコンピュータメーカーに同じ製品を納入できるようになり、たとえばあるネットワークアダプタを、すべてのコンピュータメーカーのマシン用に販売するといったことが可能になる。

 その一方で、標準ができてしまうと、コンピュータメーカー各社は競合他社の製品より優れた、他にない長所をもつシステムをつくり出すことが難しくなり、顧客にとっては他社製品への切り替えが簡単にできるようになる。正式な標準化作業には時間がかかり、衝突もよく起こるため、業界共通の方向性を定めるにあたっては、MicrosoftがWindowsで振りかざしたような市場での力が、複数の企業間での交渉よりもモノをいう場合も多い。

デファクトスタンダード(業界標準)

 2002年9月、IBMとIntelは市場で力を利用するアプローチを選んだ。両社はブレードサーバの設計を共同で行うことで提携し、ブレード本体やそれを収納するシャーシ、ブレード同士を接続する通信機器などの開発を始めた。この提携からは、IBMのHS40ブレードサーバという形で実を結んでいる。同サーバでは、IntelのXeonプロセッサを4基搭載し、大枠ではIntelのブレードサーバであるSBX44と同じではあるが、ブレードの取り外しのために異なる排出メカニズムを採用している。

 IBMは、ブレードに関する「デファクトスタンダード」制定の方法として、この提携を喧伝している。また、Intelは実際にこの提携から生まれた同社の販売で、ある程度の成功を収めている。フランス企業のBullは、この提携に参加した重要企業の1つである。だが、Intelベースサーバのトップ企業であるHewlett-Packard(HP)は、この提携に苛立ちを見せている。

 Intelは、このIBMとの提携を標準化作業だとは考えていない。「正式なブレードのフォームファクタの標準は、現時点でわれわれが追い求めているものとは異なる」と、Intelのエンタープライズプラットフォーム事業部でマーケティングディレクターを努めるPhil Braceはいう。だが同氏は、この提携がサードパーティ企業の参入を容易にする「エコシステム(生態系)」の確立を目指していることを認めている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。

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