IBMは来週、通信事業者向けのブレードサーバを発表すると見られている。これにより、ブレードサーバの品揃えを自社サーバ製品の大半に広げようというIBMの壮大な計画が一歩前進する。
来週登場予定の「BladeCenter T」と呼ばれる新モデルは、新しい顧客ニッチに向けられた製品となる。だがIBMでは、ブレードサーバ製品のより広範な顧客層に向けた販売を狙っており、自社のメインフレームユーザーやUnixサーバユーザーに向けたモデルも、それぞれ用意する計画がある。
この製品ラインの拡充はIBMにとって賢明な動きとなり得るが、ただしそれも同社が充分な数のハイエンドな機能をブレードに移植できればの話だと、Gartnerのアナリスト、John Enckは述べている。さまざまな種類のハードウェアモジュールが共通のシステムに挿入できるような、「共通のインフラを手に入れられれば、この動きは非常に理にかなったものになるが、しかし問題は細かな部分に隠れている」(Enck)
IBMのビジョンでは、サーバには大枠で2つの方向性が与えられている。冷蔵庫よりも巨大で何十基ものプロセッサを搭載したマシンと、種類の異なる薄型システムを持ったブレードサーバで、後者は本を本棚に並べるように共通のシャーシに挿入して使うことができる。
IBMのブレードサーバは、当初はIntelプロセッサを搭載した製品しかなかったが、同社はその後品揃えを拡充してきている。同社は今月、2基のPowerPC 970を搭載し、Linuxが動作する「JS20」というモデルの出荷を開始した。
IBMでBladeCenter製品を担当するディレクタ−、Tim Doughertyは、米国時間8日に行われたインタビューのなかで、2005年にはPowerPC 970を4基搭載したブレードサーバが登場し、これによってこの製品ラインが、同社のUnixサーバ製品ラインと類似してくると述べた。また同氏によると、この4プロセッサ搭載モデルで、IBM版のUnixであるAIXが、Linuxに代わり得る強力な選択肢になるという。
さらに、IBMの研究所では現在Advanced Micro Devices(AMD)のOpteronプロセッサを搭載したブレードサーバの開発を進めているところだ。
IBMにとって直近の問題は、BladeCenter Tのリリースだ。Doughertyによると、このシステムは直流(DC)電源で動作し、またNEBS(Network Equipment Building Standard)標準に準拠するなど、通信事業者の要求に応えるものだという。NEBS準拠は、煙や揺れ、高温・低温に対するシステムの耐久テストが行われたことを意味する。
メインフレーム・ブレード
Doughertyはまた、IBMのメインフレームzSeriesから派生したブレードサーバを提供する計画があることも明らかにした。システムを低価格に抑えることで、この動きがメインフレーム技術を普及させる可能性がある。
「これは、新しいzSeriesではなく、現在のzSeriesのすぐ下に位置する市場に向けた製品だ」とDoughertyは述べたが、しかしすぐに投入するわけではないという。「おそらく2年程度でリリースできるだろう。まだ解決すべき技術的問題がたくさん存在している」
このメインフレーム・ブレードは、「インフラの簡素化」を売り込む同社のマーケティング戦略にぴったり適合すると、Doughertyは説明する。インフラの簡素化とは、現在の複雑なサーバ環境から、メインフレームとブレード組み合わせへの移行を進めるIBMの提案だ。
Enckによると、比較的低価格のメインフレーム市場には依然として売り込みの余地があるという。「小型のメインフレームがたくさん売れている。IBMにとって、この状況は引き続きチャンスとなる」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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