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マイクロソフトのサーバアプリ、小規模企業向けのホスティングサービスで健闘

David Becker (CNET News.com)2004年03月12日 12時44分
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 Microsoftは、仲介役としてふるまうことで、重要なサーバアプリケーションの新しい支持者を獲得し、また生まれて間もないユーティリティコンピューティング市場に関する貴重な経験を積んでいる。

 電子メールサーバExchange Serverを筆頭に、サードパーティーベンダー各社が小規模ビジネスユーザー向けのホスティングサービスとしてMicrosoft製のサーバアプリケーションを再販するケースが増えている。調査会社やパートナー各社は、Microsoftがホスティング会社向けに各製品を一段と使いやすくしている点を高く評価しており、また同社は自らこのようなサービスを提供することには関心を示していないという。

 「Microsoft側から見ると、ホスティングサービスを自ら行うことに大きなメリットがないのは明らかだ。彼らは(そうしたサービスのプロバイダーになることについて、その)将来性を検討し、経済的な側面を検討した上で、短期的には参入を見合わせた」と語るのは、調査会社Directions on Microsoftのアナリスト、Rob Helm。同氏はさらに、「Microsoftはあくまでソフトウェア会社であり、現在のあり方に満足している」と付け加えた。

 「サービスとしてソフトウェア(の機能)を提供する」というフレーズは、数年前IT業界でしきりと聞かれたお題目だ。当時、Microsoftや他のソフトウェア企業では、ますます多くのアプリケーションがウェブベースのサービスとして提供されるようになるとして、この方面の取り組みに大金を注ぎ込んでいた。結局この時はうまく実現しなかったものの、現在ではこのビジョンが一部の市場セグメントで根付き始めている。

 たとえばSalesforce.comでは、CRM(顧客管理)ソフトをウェブ上から提供するサービスとして販売し、Siebel Systemsなどの巨大ベンダーに挑戦したが、これが成功を収めたことで、競合他社のなかにも同様の契約サービスを提供するところが出てきた。

 さらに、IBMのLotus事業部でもWorkplaceメッセージング/コラボレーションツールのホスティング対応バージョンをしばらく前から提供している。しかし、このサービスが重視しているのは、システム運用の簡素化を目指し、IBMのオンデマンドコンピューティング構想を受け入れようとしている企業だ。

 これと対照的に、Microsoftのホスティング関連の取り組みは、中小企業市場にはっきりと焦点を定めたもので、この市場ではローエンドのサービスを提供する小規模ベンダーや、中小企業向けのソフトウェアを専門にするIntuitなどによるいくつかの試験的な取り組みが、主なライバルとなっている。Intuitは先に、QuickBooks会計ソフトと連携するQuickBaseというコラボレーションサービスを投入している。

 しかし、中小企業向け製品を提供するベンダーにもたくさんのチャンスがあるようで、特にメッセージングソフトの分野にはそれが当てはまる。調査会社のRadicati Groupでは、ビジネス向けの電子メールサービス管理(あるいはホスティング)市場が、昨年の23億ドルから2007年には31億ドルにまで成長すると予測しており、自社サーバの購入や保守を行わずに自社の電子メールサービスをアップグレードしようとする小規模企業が、この成長の原動力になると見ている。

 RadicatiのCEO(最高経営責任者)、Sara Radicatiは、「こうしたサービスを利用する会社はPOPメールの機能では物足りなくなっている。そして、もっと洗練されたものが欲しいが、サーバ管理に伴うさまざまな問題は抱えたくないと考えている。そして、コストを考えればホスティングが非常に魅力的な選択肢になるし...これならばサポートにかかる負担もない」と語った。

 Microsoftのプラットフォームホスティンググループで製品マネジャーを務めるIgnacio Davilaによると、Exchangeのホスティングビジネスは昨年顧客数が80%増加したという。

 「基本的には小規模企業が中心だ。彼らはもっといろいろな機能をコントロールしたいと考えており、またHotmailのアドレスしかないのではプロフェッショナルには見られない」(Davila)

 同氏によると、規模の小さな企業でも独自ドメインも持ち、自社では提供できないような独自のコラボレーションサービスも使いたいと考えており、しかも大規模な先行投資はしたがらないという。

 Davilaはさらに、小規模企業にとっての課題は次のようなものだと付け加えている:「3000ドルも出してサーバを購入して、新たな機能が確実に利用できるよう業務時間の10%を割いてこれを管理すべきか、それともどこかよその会社にこれを代行してもらった方がコストがかからないのか?」

 Microsoftではさらに、SharePointコラボレーションソフトウェアや、社内文書へのアクセス権限を管理するWindows Rights Management Servicesといった新しいサーバベースの製品についても、ホスティングサービス・プロバイダーの力を当てにしている。

 ホスティングプロバイダーに各種ツールを販売するApptixのCEO、Alex Hawkinsonによると、特にSharePointは小規模企業だけでなく、多機能な製品を持て余し気味の大企業にとっても、魅力のあるホスティングサービスになるという。「このコンセプトは新しい。社内のIT部門に(コラボレーションサービスに関する)十分な専門知識がない場合もあるが、その際には他社から提供されているホスティングサービスを利用すれば、すぐにやりたいことができる」(Hawkinson)

 Hawkinsonらは、Microsoftがホスティングサービスの提供するメリットをよく理解しながら、同時に自ら市場を奪おうとしていない点を高く評価している。同氏によると、Microsoftは以前から自社をソフトウェアの開発企業と見なし、それを届けるディストリビュータとは考えていないという。そして、同社のサードパーティーに対する取り組みは、従来のソフトウェア再販業者から、ネットワーク上でうまく機能するモデルへの自然な進化だという。

 Hawkinsonによると、Microsoftは特にExchangeで、ホスティングパートナー各社がビジネスを拡大できる方法を同社が認識していることを立証したという。この電子メールサーバは多くの大企業で利用されているが、ライバル製品同様、中小規模の組織には浸透していない。「Microsoftは、自社のコアコンピテンシーから大きく逸脱したことをしなくても、これだけで新しい顧客を獲得できている」(Hawkinson)

 Directions on MicrosoftのHelmも同意見で、Microsoftはホスティングプロバイダーへのソフトウェア販売だけでかなりの利益を上げており、自社でホスティングに乗り出してもリスクに見合うだけの利益は得られない、と話している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。

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