サンフランシスコ発--「ソフトウェア業界はもはや、まわりの世界のほうが、好ましい方向へ変化してくれると期待することはできない」。これは、Oracleで元社長を務めたベンチャーキャピタリストのRay Laneが米国時間1日に語ったメッセージだ。
Laneは現在、ベンチャーキャピタルのKleiner Perkins Caufield & Byersのジェネラルパートナーとして活動している。その同氏が、この程当地で開催された「Software 2004」カンファレンスの基調講演のなかで、企業はソフトウェアをサービスとして販売することを学び、変化の激しい顧客のニーズを満たさなくてはならないと述べた。
Laneは、これまでとは大きく異なるソフトウェア業界の未来の姿を描いて見せたが、その世界ではもはやプロプライエタリな技術が高価な値段で売れることはなくなるという。「この業界は転機を迎えている」と、同氏は聴衆のソフトウェア各社の幹部や投資家に語りかけた。
ソフトウェア業界は、マイクロプロセッサやパソコン、インターネットなど、Laneが「地殻変動」と呼ぶ一連の大きな変化によって生み出された。「今後も別の変化が起こるだろう。それが何であるかはまだわからない。だが、我々はその時が来るまで、インターネットという最近の大きな変化を生かすべく、あらゆる細事に取り組む必要がある」と同氏は述べた。
Laneはまた、グローバリゼーションは消えてなくなりはしないと述べた。最近インドを訪れた同氏は大きな感銘を受けたという。「インドは、仕事を送れば結果を返してくるというブラックボックスのようなものだと考えていた。しかしそこで見たものは、イノベーションや高い労働倫理、素晴らしいスキルだった」(Lane)
Laneによると、オープンソースの動きもまた、機能ごとのコンポーネントを交換しやすくしたことで、サービス面に重点を置いたソフトウェアの提供を加速させたという。「もし今日ソフトウェアビジネスを始めるのなら、サービス型のビジネスモデルにすることを勧める」と同氏は述べた。そして、「我々はまだこのモデルを確立していない」ので、新しい企業は余計な先入観抜きでビジネスへのアプローチを考えられると付け加えた。
さらにLaneは、IT業界がついに特別なものではなくなった現状を「正常な状態」とし、各社はこの機に乗じて、顧客の要望を聞きそれに応えられると述べた。「ソフトウェアをサービス業と考えれば、この業界は再び世界で最大の業界となるだろう」(Lane)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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