Oracleは3月1日(米国時間)、司法省が同社に対して起こした反トラスト裁判に備えるべく、Microsoftに情報提供を求めることを明らかにした。Oracleが自己防衛のため、大敵であるMicrosoftに援護を要請することになるとは、なんとも皮肉な展開である。
Oracleの広報担当、Jennifer Glassは、同社の進めるビジネスアプリケーションソフト市場のシェア拡大計画について、Microsoftに見解を提供するよう求めることを正式に認めた。
司法省は先週、Oracleの総額94億ドルに上るPeopleSoftの敵対的買収を阻止するため同社を提訴したが、Oracleもこれに応戦する構えを見せている。司法省は訴状の中で、OracleがPeopleSoftを買収すれば、大企業の選択肢となるソフトウェアサプライヤはOracleとドイツのSAPの2社のみとなってしまい、その結果ソフトの価格が引き上げられる可能性があると主張した。
皮肉なことに、OracleのCEO、Larry Ellisonは、今回同社のシェア拡大計画を阻止しようとしている司法省が、かつてMicrosoftに対して起こした反トラスト訴訟で、同社を最も強く批判した1人だった。当時Ellisonは、Microsoftの分割を強く主張し、現在でもスピーチでは事あるごとにMicrosoftを「有罪判決を受けた独占企業」呼ばわりしている。
Microsoftが、同社に対する最も激しい批判者であり、また同社の最も強力なライバルの1社であるOracleからの協力要請を喜んで引き受けるのか否かは、未だ不明のままだ。Oracleの顧問弁護士でLatham & Watkins法律事務所所属のDaniel Wall弁護士の言葉を引用したBloombergのレポートによると、Oracleは、Microsoftから必要な情報提供を受けるため、同社の召還を余儀なくされる可能性があるという。
Wallによると、Oracleは一方で、今回の裁判を担当するサンフランシスコ連邦裁判所に対し、公判期日を6月にするよう求めており、裁判期間は2週間から1カ月と予想しているという。またWallは、同裁判の審理は米地裁のVaughn Walker判事が担当する、と付け加えた。OracleとPeopleSoftは共に、サンフランシスコのベイエリアを拠点としている。
Wallは、Microsoftが中規模企業へのアプリケーション供給に注力していることに言及し、「Microsoftはよく魚が釣れる市場で、釣りをしているにすぎず、それを理由に同社を退けることはできない」と語った。司法省は、Oracleの買収計画を分析する上で、企業向けアプリケーション市場の中小企業部門はほとんど考慮しておらず、代わりに世界の大企業向けアプリケーション市場における競争力学に基づいて判断を下した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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