[ニュース解説] PeopleSoftの買収に関して、Larry Ellisonはどこまで覚悟ができているのだろうか?
Oracleは米国時間26日、予想どおり、合併の阻止を狙った米司法省の訴訟を「受けて立つ」構えを示した。「我々は、政府の主張が事実や法律に基づいていないと考えており、法廷でこれを証明する自信がある」と、Oracle広報担当者のJim Finnはコメントした。
昨年6月に、Oracle最高経営責任者(CEO)のEllisonが最初にこの敵対的買収に乗り出したとき、多くの関係者は、単にライバル企業であるPeopleSoftに脅威を与え、PeopleSoftがJ.D. Edwardsと進めていた合併話を邪魔するのが目的だと思っていた。
しかし、それ以来Oracleは執拗にこの買収にこだわり、二度も買収価格をつりあげ、来月に予定されているPeopleSoftの役員選挙に、独自の候補者を指名した。
多くの関係者がこの買収には異を唱えており、冷静な関係者なら、そろそろEllisonがこの件から手を引き、Oracleのリソースを他の企業の買収に振り向けるべきだと忠告するだろう。
「PeopleSoft役員会の乗っ取りに失敗し、司法省をはっきりと敵に回してしまえば、この買収を追及したことを正当化できないのではないかと思う」と、AMR ResearchのITアナリストJim Shepherdは述べている。
しかし、Ellisonは、世間一般の通念におとなしく従う人物ではない。
EllisonとOracle役員会が司法省の訴訟に異議を申し立てることにした現在、行く手には多くの困難が待ち受けている。今年の役員選挙では勝ちが望めないため、Oracleは、PeopleSoft役員会を牛耳るための委任状争奪戦をやめようとしているが、来年も同じような争奪戦を繰り返さなければならないかもしれない。Oracleは同時に、5月11日に独占禁止の裁定を下すことになっている欧州委員会も説き伏せなければならない。同委員会の判断は、米国の独占禁止取締り機関による調査の結果に影響を受ける可能性がある。
一方で法律専門家は、この法廷闘争があまり長続きしないと見ている。
「企業の合併をめぐる問題は、一般的には数カ月以内に解決するものだ。これは来年まで続くような話ではない」と、法律事務所Drinker, Biddle & ReathのパートナーHoward Morseは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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