EMC、ストレージ用ハードウェアの新製品を発表

John G. Spooner(CNET News.com)、藤本京子 (CNET Japan編集部)2004年02月10日 18時36分

 EMCは9日(米国時間)、ストレージ装置のアップデートを発表した。新しい製品では、データ容量やアクセス速度が向上し、ネットワークシステムへの接続機能が改善されている。

 同社は、ストレージシステムClariion CX(日本での製品名はCLARiX CX)とSymmetrix DMXをアップデートし、さらに異種のストレージシステムを接続できるように設計したゲートウェイ製品を発表した。EMCのストレージシステムは、他社のものと同じく、データを大容量のディスクアレイに保存する仕組みとなっている。

 同社はここのところ、ソフトウェアに重点を置き、一連の買収を通して事業を強化してきた。しかし、今年初めの予告どおり、2004年の売上増加を図るために、新しいハードウェア製品も発表した。

 新製品Symmetrix DMX-2は、高速のプロセッサと大容量のキャッシュを搭載しており、パフォーマンスが向上している。また、同システムは、インターフェースにファイバーチャネルを使った回転速度1万5000prm、データ容量73GBのハードディスクを搭載することが可能で、大量のデータを扱うタスクの処理において高い性能を発揮する。同社によれば、新製品の性能は、従来製品に比べて最大で2倍向上しているという。

 また、EMCはClariion CXのラインナップを更新し、これまでのシステムにかわる3つの新モデルを発表した。新モデルでは、パフォーマンスが25%から100%向上し、データ容量は13.4テラバイトから58.4テラバイトとなる。

 Clariion CX200に代わって登場したClariion CX300は、最大で60台のハードディスクを扱うことができ、パフォーマンスは25%向上していると、EMCは声明の中で述べている。

 この他にも、Clariion CX500およびClariion CX700という2つの新モデルが発表された。Clariion CX400に代わるClariion CX500は最大120台、またClariion CX600にかわるClariion CX700は最大240台のハードディスクを搭載可能。Clariion CXのラインナップもまた、回転速度が1万5000prm、データ容量が73GBの、ファイバチャネルインターフェースのハードディスクを搭載できる、と同社は説明している。

 EMCはまた、NAS(Network-Attached Storage)対応のゲートウェイ、Celerra NS700G NAS Gatewayをリリースした。このゲートウェイは、NASシステムをSAN(Storage-Area Network)に接続するものだ。NASシステムではファイルを共有しやすいが、SANではより大きなデータ容量が確保できる。NASゲートウェイ製品を利用すると、2つの技術の長所を組み合わせて利用できる。

日本でも同時発表

 これら製品は、日本国内でも10日に発表された。EMCジャパンの代表取締役社長 中山隆志氏は、今回発表した新製品が同社の推進するILM(Information Lifecycle Management、情報ライフサイクル管理)を実現するものだという。「情報が作られてから廃棄されるまでの管理は、経営計画の中核ともなるものだ。EMCは情報管理におけるソリューションを包括的に提供できるのが強みだ」と述べた。

 EMCジャパンではまた、今月はじめにパートナー戦略を強化すべく組織変更を行ったが、これにより「EMCはソリューションプロバイダになる」と中山氏。Legato SystemsやDocumentumといった企業の買収で、「ユーティリティコンピューティング実現のためのソリューションが用意できた」としており、ソリューションを販売するにあたってパートナーとの関係強化が必要だと中山氏は説明する。これまで直販でハイエンド製品を重点的に販売してきた同社だが、「EMCがすべてのソリューションを販売するにはパートナーの力が不可欠。またパートナーにとっても、EMC直販部隊と協業することで拡販にもつながる」と述べ、新体制で市場拡大を目指す意気込みを語った。

 なおCXシリーズは、デルからもDell|EMCブランドで販売される。デルとEMCは2001年11月よりパートナーシップを結んでいるが、デルのエンタープライズシステムズマーケティング本部エンタープライズソリューション本部長 多田和之氏によると、この提携によるデルのストレージ分野の成長はめざましく、2003年度の同社のストレージ製品の売上は87%増加したとしている。新製品の投入で、同分野でのさらなる成長を期待しているようだ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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