データストレージ分野のライバル企業であるHewlett-Packard(HP)とEMCが、それぞれ新製品を発表したが、HPは使用量に応じて支払う価格体系、EMCは強化されたハードウェアラインを売り物にしている。
EMCの計画に詳しい情報筋の話では、同社は来週、ミッドレンジおよびハイエンドの高速ディスクアレイ、データコピー機能を強化したミッドレンジアレイ、2種類のストレージテクノロジーをリンクする新しいデバイスといった、一連の新製品を発表するという。
また、同関係者によれば、EMCは、同社のストレージ装置であるCenteraラインを強化して、準拠要件をさらに高めるとともに、同社のミッドレンジClariionアレイにマネジメントソフトウェアを追加し、またClariionが新生の業界標準をサポートするようになることも合わせて発表するという。新生の規格、SMI-S(Storage Management Interface Specification)は、ソフトウェアが、複数のメーカーの機器をより簡単に管理できるようにすることを狙ったものだ。
一方、HPは、米国時間5日に同社のミッドレンジのEnterprise Virtual Array(EVA)製品の新しい価格体系と、多数のテープ装置とカートリッジを統合したロボットデバイスである、テープライブラリの新シリーズを発表した。HPによれば、EVA製品ラインは、使用した容量を追跡する測定テクノロジーを導入しており、利用者は使った分だけ料金を払えばよいという。使用分だけ支払うというオプションは、これまで大企業向けのハイエンドストレージアレイだけで提供されていた。
HPによれば、同社のESL E-SeriesテープライブラリはUltrium 460とSDLT 320ドライブで利用でき、記憶密度が改善されたという。
HPとEMCは、ディスクベースのストレージ分野のトップベンダーに名を連ねている。両社による一連の発表は、ストレージ業界において、ハードウェアの重要性が減少しソフトウェアの重要性がますます高まっているなかで行われた。こうした変化の背景には、既存のストレージ機器を有効活用し、人件費を減らしたいと願う企業側の欲求がある。
EMCは、ここ数カ月間、活発なソフトウェア戦略を展開してきた。同社は、バックアップとリカバリソフトウェアを製造するLegato Systems、コンテンツ管理企業のDocumentum、サーバコンピュータの柔軟性を高めるソフトウェアを開発するVMwareを傘下におさめた。
有望なハードウェア製品の1つは、いわゆるNAS(Network-Attached Storage)ゲートウェイだ。これらのデバイスは、簡単にファイル共有を行えるようにするNASテクノロジーと、容量の拡大を可能にするSAN(Storage-Area Network)テクノロジーを結びつけるものだ。市場調査会社Gartnerによれば、昨年のNASゲートウェイ製品の世界的な売り上げは、27%の伸びを見せ、8400万ドルに達したという。同社は、NASゲートウェイの売上が2007年には2億1500万ドルに達すると見ている。
EMCは、来週、NASゲートウェイ製品の新ファミリーを発表する予定だ。
また、EMCは価格を維持したままで、性能を向上させたClariionマシンや、高速プロセッサを搭載した新しいハイエンドのSymmetrixストレージアレイも発表する予定だ。
自社のSMI-S規格に対するサポートを宣伝しているHPは、同規格に準拠する製品を発表できるというEMCの能力に、疑問を投げかけている。「業界団体のSNIA(Storage Networking Industry Association)がまだ規格の試験基準を承認していなかで、SMI-Sに準拠しているとうたっているメーカーに対しては、懐疑的にならざるを得ない。順序が逆だ」とあるHP関係者は述べた。
SNIAは、SMI-Sの仕様を昨年7月に発表した。SNIAによれば、今後数カ月以内に、特定の製品が規格に準拠しているかどうかを決定するための試験プログラムが完成するという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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