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富士通、オープン化の進む金融基幹システムに新ソリューション

藤本京子(CNET Japan編集部)2004年02月09日 14時54分
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 富士通は2月9日、金融機関向けの新ソリューションを発表した。これは、大規模な基幹系システムをLinuxなどのオープン環境で構築可能にするというもの。同ソリューションの導入で、「既存資産を有効活用しつつ、自社および他社との連携を容易にし、開発期間の短縮とTCOの削減が実現できる」(富士通 経営執行役、稲垣博正氏)という。

 稲垣氏は、現在の金融ビジネスにおける課題として、銀行と保険、証券、投信といった他業態からの商品の仕入れや業務オペレーションが伴う場合、その都度新たな接続システムを開発しなくてはならないことや、システムの追加や修正でプログラムが肥大化・複雑化し、機能拡張のためのコストやリスク、対応時間が増大していること、また次期システムへの更改の際に膨大な費用とシステム障害のリスクが伴うことを挙げる。「このような事業間の連携における課題を解決し、求められるスピード、コスト、安全性を提供するのが富士通の次世代ソリューションだ」と稲垣氏は説明する。

富士通 経営執行役の稲垣博正氏

 同社が今回発表したのは、次世代ハブソリューション、金融ビジネスアプリケーションソリューション、トランスマイグレーションソリューションの3つ。次世代ハブソリューションは、決済ネットワークの拡大に即応するために、XMLやSOAP、J2EEに対応し、セキュリティ、認証、課金などの支援機能を装備したパッケージソフト。金融ビジネスアプリケーションは、これまでに富士通が開発し、国内で稼働実績のある勘定系アプリケーションをオープン化、部品化して提供し、新規開発や修正の開発期間を「約30〜50%短縮する」(稲垣氏)というもの。トランスマイグレーションソリューションは、COBOLで開発された現行アプリケーション資産から、構造化されたコンポーネント部品を自動生成するリバースエンジニアリングサービスを提供、現行業務仕様の継承とオープン化を短期間で実現するもの。また、保守用日本語ドキュメントとUML形式のドキュメントを自動生成し、「顧客の初期投資を半減させ、さらには移行後の保守生産性の向上が実現、自動化によって品質も確保できる」(稲垣氏)としている。

 金融業界では、八千代銀行がNECのオープン系技術であるBankingWeb21を採用しており、また百五銀行が日本ユニシスと共同でWindowsベースの基幹系システムを開発するなど、オープン化の動きが進んでいる。この業界の動きに対し、これまでメインフレームで多くの実績を積んできた富士通も脱メインフレーム化を図っているように思えるが、稲垣氏は「メインフレームの高信頼性には、どのオープンシステムもかなわない。だがオープンシステムにはスピードがあり、両方のよい部分を組み合わせて使うのがよいだろう。富士通では次世代メインフレームも用意しており、現段階でメインフレームが完全になくなることはないと考えている。今回のソリューションもメインフレームをサポートしつつオープンシステムを取り入れていくというもので、今はこの組み合わせがベストフィットだ」と語る。

 金融システム市場には、日本IBMや日立製作所といった競合もひしめいており、現在富士通のシェアは「推定で約25%」(稲垣氏)。同社では今回のソリューションで今後3年間に600億円の受注を目指し、「シェアを30%以上に拡大させたい」としている。

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