IBMはパッケージソフトウェアとサービスとを組み合わせた金融サービス企業向けの商品を発売する。同社は特定の業界ニーズに合わせた販売の取り組みを進めており、今回の新商品の発売もその一環となる。
IBMは2月2日(米国時間)、新製品IBM Middleware Solutions for Financial Marketsをリリースすると見られている。この製品には銀行、保険、金融の各市場向けにそれぞれ5つずつ、計15のパッケージソフトが含まれており、各ソフトはそれぞれの分野に特有の問題に対処できるよう設計されている。同社は、過去2年間に顧客から寄せられた意見に応え、同社の既存ポートフォリオから選んだソフトとコンサルティングサービスをバンドルしたソリューションの発売に踏み切ったという。
IBMは、特定の業界が抱える差し迫ったビジネス上の課題に、自社技術をよりうまく適合させることで、企業に対してより効果的な営業活動が可能になると期待している。
「(技術をバンドルした今回の新製品は)IBMの全ての技術の機能を、顧客が理解できる方法で示すものだ。なぜなら、このソリューションは企業のIT担当幹部が導入するよう、すでに要請されていると思われるプロジェクトの情報を提供するものだからだ」と語るのはIBMの業界マーケティング担当ディレクター、Doug Brownだ。
Brown によると、IBMは今後他の業界向けに、同様のバンドル製品を順次発売していくという。
IBMにとって、ソフト/ハードウェアとコンサルティングサービスを組み合わせ、特定の業界向けにカスタマイズした製品の提供は、同社の企業戦略の中核をなしている。同社が先月発表したところによると、今年から販売員向けの研修の中で、特定の業界特有の専門知識についての研修を増やすという。
自社ソフトウェアを垂直業界向けにカスタマイズするというIBMの計画は、ほかの大手ソフトプロバイダーの取り組みと非常に良く似ている。Oracle、SAP、PeopleSoftなどIBM以外の企業も、製造や医療といった様々な業界におけるデータ処理を行う、複数のバージョンの企業向けアプリケーションを販売している。これらのアプリケーションは各業界のデータ変換フォーマットもサポートしている。
15のソフトウェアで構成される業界初のバンドル製品、IBM Middleware Solutions for Financial Marketsには、小口銀行業務用のウェブサイトの改良方法といった、ITに関する金融サービス部門特有の問題への対処方法の手引きも含まれている。
Brownによると、パッケージ製品を組み合わせる作業は少しずつしかできないこともあるため、同社はこの作業に4カ月かかったという。なお、同製品の価格はバンドルの規模や構成によって異なるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」