サーバを効率よく利用するためのソフトウェアを開発している米VMwareは、自社のソフトウェアが複数のメーカーのデータストレージ装置と互換性があると発表した。
同社は8日(米国時間)、ESX Serverソフトの互換性テストが無事完了したことを明らかにした。同テストの対象となったのは、米EMC、独Fujitsu Siemens Computers、米Hitachi Data Systems、米Hewlett-Packard(HP)、米IBM、米Network Applianceのストレージ装置。
ESX Serverは、「仮想化」ソフトウェアと呼ばれるもので、複数のオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションを1台のコンピュータで同時に実行することを可能にする。VMwareはまた、アプリケーションを実行させたまま、ユーザが実際にある1台のコンピュータから他のコンピュータへ「仮想マシン」を移動させることができるというソフトウェアも開発している。
VMwareのマーケティングを担当するバイスプレジデント、Michael Mullanyは、サーバの仮想化を目的とした同社の製品は、他社が開発している個々に独立したストレージリソースを補完するものであると説明する。
「これで、ソフトウェアだけでなくデータもいっしょに、データセンタのなかを動き回ることができるようになった」(Mullany)
このような、複数のサーバやストレージ装置の管理を可能にする技術は、ユーティリティコンピューティングを実現するための足掛かりとなると考えられている。ユーティリティコンピューティングとは、コンピュータの処理能力を、ひとつのサービスと考えて、企業や団体が必要なときに必要な分の代価を支払って利用するというコンセプトである。
IT業界大手のSun MicrosystemsやHP、IBMでも、この仮想化の技術に取り組んでいる。
VMwareは、互換性テストでは、特にストレージエリアネットワーク(SAN)装置を対象にしたと説明している。SANは、データストレージ装置を管理しやすくし、効率よく利用できるようにするためのネットワークである。
Mullanyはまた、このテストにより互換性が実証されたことで、VMwareとストレージ装置メーカーは、テクニカルサポートのサービスを顧客へ提供しやすくなるはずであると述べている。
VMwareは、自社のソフトウェアVMotionについても、ストレージ装置との互換性テストを行うだろう、とMullanyは述べた。VMotionは、サービスを中断することなく、「仮想マシン」を同じSANに接続された実在する別のサーバに移動させるように設計されたもの。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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