IBMは米国時間27日、ストレージネットワークを接続する新製品を発表した。この製品は、さらに高性能になり、他社のストレージ機器との互換性も向上しているという。
NAS(Network Attached Storage)ゲートウェイと呼ばれるこの製品により、イーサネット上の機器を、ファイル出力や共有のためにSAN(Storage Area Network)と接続させることが可能になる。NASゲートウェイは、ネットワークに対応したストレージ機器を効率性アップや低コスト化のために統合するという大きなトレンドの一部で、IBMのライバルであるEMCやNetwork Applianceもこうした製品を販売している。
IBMの新製品であるNAS Gateway 500と、同社の現行製品NAS Gateway 300との違いとしては、500ではMicrosoftのOSではなくIBMのソフトウェアを採用し、より高性能なプロセッサを搭載している点などが挙げられる。NAS Gateway 500は、2月6日より6万ドル〜で発売になると見られている。IBMによれば、NAS Gateway 300の販売は3月末で終了することになるという。
調査会社IDCのアナリストJohn McArthurによれば、IBMのNASゲートウェイは、今回の仕様変更で、中・大規模企業のデータセンターなど、さらにハイエンドの用途に向いた製品になったという。「今回の仕様変更は、IBMが対象としている顧客セグメントによくマッチしている」(McArthur)
NASゲートウェイは、NASとSANという2つの世界を橋渡しする方法の1つだ。SANは、ディスクアレイとスイッチで構成される専用のネットワークで、高速で多くのデータを保持できるものの、高価になったり、ファイル共有用としては扱いにくくなることもある。
これに対して、従来型のNAS装置は、一般的なイーサネットをまたいでファイルを提供する専用のコンピュータ。一般にSANよりは管理をシンプルに行えるが、速度が遅く、また容量的な限界がある。
NASゲートウェイ自体はディスクを持たないものの、ユーザーにSAN上の使われていないディスクの空き容量を利用させることができる。また、組織全体を通じてNASの台数を減らせるため、管理コストの低減にもつながる。
現在NASゲートウェイの人気は高まりつつあり、市場調査会社のGartnerによると、全世界での売上は、昨年から27%伸びて8400万ドルになったという。Gartnerは、NASゲートウェイの売上が2002年から2007年にかけて毎年27%増加し、2007年には2億1500万ドルに達すると予想している。
IBMは、SAN Volume Controllerと呼ばれるオプションソフトウェアを利用することで、NAS Gateway 500を他社のストレージ機器と連携させることが可能だと説明している。SAN Volume Controllerは、複数のストレージ機器をひとつにまとめ、「仮想化」するもので、これにより同機器をさらに効率的に利用できるようになる。このソフトウェアは、いまのところHewlett-Packard(HP)とHitachi Data Systemsから販売されているストレージ機器をサポートしている。また今後、他社の製品もサポートしていく予定だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス