ストレージ大手の米EMCは、顧客企業が使った分だけ料金を支払うオンデマンド型のストレージプログラムを発表する予定で、ライバル企業の米IBMやHewlett-Packardの謳うユーティリティ・コンピューティング・システムへの転換を図ろうとしている。
典型的なユーティリティ・コンピューティング・プランでは、コンピュータの処理能力を、電気や水道と同様、顧客が使用する分だけ提供している。IBMやHPが積極的に推し進めているこのモデルは、情報システムの所有コスト(TCO)を引き下げ、IT関連業務のアウトソーシングコストを節減することで、顧客に利益をもたらすとされている。
EMCでも現在、新たにこの分野に参入しようとしている。EMCのオープンソフトウェア・マーケティング担当バイスプレジデント、Tony Marzulliによると、EMCは2週間後に、ストレージリソースの使用量を正確に測定/把握できる新サービス「OpenScale」を発表する予定という。
このサービスも、結局はリソースの利用量に応じて料金を徴収するメーター制のストレージモデルということになりそうだ。
同社ウェブサイトにある詳細な説明によると、OpenScaleサービスでは、Collectorと呼ばれるソフトウェア・モジュールを通じて、顧客側のデータセンターからストレージ情報が集められ、EMCに報告されて、請求料金を算出する仕組みになる。
ソフトウェア・アプリケーションのCollectorは、EMCの「ControlCenter.net」製品/サービス用のウェブベースのパフォーマンス・モニター。EMCによると、CollectorはUnix、Windows、Oracle、SAP R/3といったストレージシステム環境からデータを集め、AutoAdvice、OpenScale、SAN(Storage Area Network) ArchitectといったEMC製品/サービスで、それらのデータを利用できるようにするという。
HP、IBM 、日立など、ほかのストレージ・システム・プロバイダは、以前から顧客が必要に応じて追加用ストレージブロックを利用できる、オンデマンド・ストレージサービスを提供してきた。しかしEMCのOpenScaleサービスは、ストレージサービス料金を非常に細かく設定する初めての試みである。
Marzuliによると、EMCのユーティリティプランには、顧客がストレージ業務をほかの企業に完全に委託する、外部委託型ストレージは含まれないという。
「外部委託は複雑なビジネスで、必ずしも約束通りにはならないことを考えると、全ての顧客がハードウェア、プロセス、人員をほかの企業に任せることが賢明と考えているわけではない」(Marzuli)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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