ある調査によれば、中小企業の多くが、Microsoft製のソフトウェアに依存しすぎていることに、ある程度の不安感を抱いているという。
ボストンのYankee Groupが米国時間28日に発表したレポートによれば、調査の対象となった中小企業の約43%が、Microsoftの製品やサービスに頼りすぎているのではないかと「懸念している」という。この調査は従業員500人以下の600社を対象に、各社のITニーズを焦点をあてて行われたものである。
28日にCNET News.comにあてて電子メールで送られてきた声明のなかで、Microsoft関係者は、同社が調査に参加したわけでもなく、Yankeeが採用した基準や方法論についても知らないが、今回の調査結果には驚いていると述べている。この関係者は、同社が中小企業ユーザーのニーズを満たすことを公約に掲げており、パートナー企業と協力して引き続きこの分野で企業のニーズに応えていきたいと考えていると述べた。
この調査に答えた企業の72%は、ほかのベンダーを探すなどして、業務で使用するMicrosoft製品の支配力を、積極的に弱めようとしていると回答している。
「現実は、不当に高いと思われているライセンス料をMicrosoftがいつまでも押し付けることはできないということだ。あまり締め付けると他社の製品に流れてしまう。大企業に比べ、中小企業は、どちらかと言うと、積極的に新しいことにチャレンジする傾向があり、可能性があるとわかれば、彼らが別の方向に進むことは十分にあり得る」と、Yankee GroupアナリストのMichael Lauricellaは述べている。
中小企業セグメントでの取組みを強化しているMicrosoftにとってこのニュースは、同社を悩ませることになるかもしれない。特に、同社の顧客関係管理(CRM)ソフトは、もっぱらローエンドセクターだけに的を絞っている。しかし、アナリストのLauricellaは、Microsoftがパートナー企業への依存の度合いを高めることで、CRM製品や他の製品の先行きを明るくすることができると考えている。
「Microsoftにとって、パートナーや系列企業ともっとうまくやっていくことは、とても重要なことになるだろう。また、いろいろな意味で、市場を支配しているというイメージを薄めるためには、黒子に徹するほうがよいかもしれない。Microsoftにとってこの状況は、回避できないというほどのものではないが、こうした不安感を鎮めるにはある程度の努力が必要だ」と、同氏はコメントした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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