Microsoftは米国時間28日、過去数年間に記録した売上成長率を今後も維持していくのは難しいと、金融アナリストに対して警鐘を鳴らした。
MicrosoftのCFO(最高財務責任者)、John Connorsは、ニューヨークで金融アナリスト向けに行ったプレゼンテーションの中で、次年度の売上成長率はここ数年のレベルに達しない可能性が高いと語った。しかし、コストを重視していくことで、売上の伸びを上回る割合で利益増加を達成できるはずだと、同氏は付け加えた。
「IT関連の支出がいくらか拡大しているのは、我々も実際に目にしている。しかし、それが1990年代のようになるとは思えない」(Connors)
また同社では、「前受け収益」残高のいっそうの落ち込みにも直面している。前受け収益とは、ライセンス契約の一部として数年にわたって提供されるソフトウェアからの売上で、 皆が注目する重要な数字だ。Microsoftが先週の決算発表で公表した、第2四半期の前受け収益は、2期連続して予想を上回る落ち込みとなった。
同社は、この落ち込みについて、「Upgrade Assurance」というボリュームライセンスプログラムの終了が主な原因だとしている。このプログラムは、90億ドルという現会計年度の期首前受け収益のうちの11億ドルを占めていた。しかし、その大半は現会計年度の売上として計上される。
「Upgrade Advantageの終了で、11億ドルの穴が空いてしまった」とConnorsは述べ、これらの顧客の一部は別の長期ライセンスプランに移行するだろうが、通常なら長期契約を更新するはずの顧客の3分の2から4分の3が、別のライセンスプランへは移行しないだろうと指摘した。
「(別プランへ移行する顧客の割合が)10%だったら失望する。逆に30%を越えれば、予想以上の出来といえる」(Connors)
だが、Connorsは、この落ち込みと会計上の変更の影響がなければ、Microsoftのライセンスビジネスは年間約7%の割合で成長していると述べた。
全体的には、Microsoftは技術関連消費の全般的な回復に加え、PCの販売増加による売上拡大が続くと見ているという。
「IT関連支出改善の初期段階が見え始めていると思う」(Connors)
しかし、企業のIT関連支出は、全体の利益の伸びほど急速には増えていないと、同氏は付け加えた。
「企業支出は全般に伸び悩みがみられ、とりわけIT関連についてはそれが顕著だ。利益の増加傾向と比べると、予算の増加はあまり進んでいない」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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