米Microsoftは24日(米国時間)、顧客関係管理(CRM)ソフトの最新版「Microsoft CRM version 1.2」の発売を、今年後半に予定していると発表した。また同社は、このソフトがMicrosoft製品の再販業者に満遍なく行き渡るようにするため、従来の販売戦略を見直す意向も明らかにした。
現在は、MBS(Microsoft Business Solutions)パートナーとして認定された企業だけが、「Microsoft CRM 1.0 Professional Edition」の販売を許されており、ほかの代理店で販売できるのは「同Standard Edition」に限られている。しかし、今回の新版のリリース後は、全ての再販業者がProfessional EditionとStandard Editionの両方を販売できるようになる。
MicrosoftのCRM担当グループ製品マネジャー、Holly Holtによると、同社が販売戦略を変更した理由は、一部の顧客から既存の再販業者と取引したいとの要望があったためという。この点について、MBS パートナー企業はMicrosoftの認定CRM再販業者となるために受けなければならなかったトレーニングの成果を、もはや有利に生かすことはできなくなるのでは、との懸念が持ちあがっているものの、Holtはこれを否定した。
Holtは、「我々は、MBSパートナーと他の販売業者との協力は、可能と考えている」とした上で、「CRMを効果的に実施するためには、事業変革を行う必要があるが、その際MBSパートナーはユーザーに対して、より適切なサポートを行うことができる。また、顧客がより多くの小売店でCRMサービスを受けられるようになれば、全ての人に利益拡大のチャンスが広がる」と語った。
またMicrosoftは、Microsoft CRM 1.2のライセンスや、ExchangeやSQL Serverソフトといった他の製品を大量に購入した顧客に対し、ボリュームディスカウントを行うと発表した。なおMicrosoft CRMを使用するには、SQL Serverを稼動させておく必要がある。
Microsoftが打ち出した新しい販売戦略に対して、Microsoft CRMの再販業者の反応は様々だ。マサチューセッツ州ウォータータウンのGreen Beacon Solutionsの社長Ben Holtzは、Microsoftの戦略転換について意外なことではないと語り、競争が激化する可能性についても「脅威とは感じていない」と述べた。
Microsoftが行った販売戦略の転換について、業界アナリストたちも同社のCRM製品がより多くの顧客に行き渡るようになるとして評価した。調査会社Gartnerのアナリスト、Wendy Closeは、Microsoftが新戦略を導入したことにより、中規模企業向け市場にCRM製品を提供しているBest Softwareなど、他の企業に対する同社の競争力が一層強化されるだろうと語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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