米Microsoftは、顧客関係管理(CRM)パッケージの新しいバージョンをリリースした。この新バージョンでは、サポートする言語を拡大し、また最新のOfficeおよびサーバソフトウェア製品との連携を強化しているという。
米国時間8日にリリースされたMicrosoft CRM 1.2は、今年1月に発売された同アプリケーションパッケージの、初めてのアップデートとなる。同社では、2004年の第1四半期中には同ソフトウェアを顧客に提供するという。
規模の小さな企業をターゲットにしたCRM 1.2は、現行の英語版専用パッケージから新たに8カ国語をサポートするものとなっている。また、Microsoftはこの機会を利用して、数多くの機能を手直しした。同社は、2005年初頭に発売予定のCRM 2.0では、さらに大胆な改良を施す計画だ。
このCRM 1.2へのアップグレードでは、Windows Server System 2003、Exchange Server 2003、Office 2003、そしてSmall Business Serverソフトウェアなど、同社最新の各種ビジネスソフトウェア製品をサポートするようになった。
Microsoftによると、CRM 1.2ではユーザーインタフェースも手直しされており、パッケージのセットアップやインストール作業の流れも簡略化されているという。さらに同社は、新バージョンではデータ評価機能が向上し、同社のCRM Sales for Outlookソフトウェアのカスタマイズ範囲が拡大されるなど、セールスフォースオートメーション(SFA)用ツールも改善されているという。
MicrosoftのCRMグループでプロダクトマネジャーを務めるHolly Holtは、企業が簡単に使えるようにすることが、同パッケージ開発時の全体の目標だったと説明している。同氏の試算によると、MicrosoftはこれまでにCRMで約1000社の顧客を獲得しているという。
Microsoftのパートナーの少なくとも1社は、CRM 1.2のリリースが同ソフトウェアのマーケティングに有用だとしている。Green Beacon SolutionsのCEO(最高経営責任者)、Ben Holtzは、同社には米国外の見込み客やパートナーからMicrosoft CRMに関する電話による問い合わせが殺到していると語った。Holtzによると、同社が導入契約を獲得できたのは今のところわずかだが、同製品に対する関心は依然高いという。
「未完成に近い製品だというのが依然として多くの人々の同製品に対する見方だと思うが、Microsoftが同ソフトウェアを強化できれば、獲得契約も増えると期待している」(Holtz)
このCRMソフトを使いたい顧客企業では、Windows Server OSとSQL Serverソフトもあわせて購入する必要があり、この点が小規模企業の市場への浸透を狙うMicrosoftにとって、ひとつの課題となっている。同社の幹部は先頃、規模の小さな企業のなかでサーバを所有しているのは、わずか5分の1しかないと語っていた。
それにもかかわらず、MicrosoftがCRMソフトを出したことで、競合他社の間には波紋が拡がっている。これらの競合は当初、Microsoftがライバルとして脅威を及ぼす可能性を否定していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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