ワークスアプリケーションズの中間決算、売上高34億円突破も目標値には届かず

永井美智子(CNET Japan編集部)2004年01月30日 19時52分

  ERPパッケージソフトの開発・販売を行うワークスアプリケーションズは1月30日、2004年6月期の連結中間決算(2003年7月〜12月)に関して報告会を開催した。同社は今年度より連結中間決算を発表している。売上高は34億3300万円(個別前年同期比57.0%増)、営業利益は8億700万円(同180.3%増)、経常利益は7億9600万円(同222.9%増)、当期純利益は4億7500万円(同228.6%増)と増収増益となったが、当初の計画値にはいずれも届かなかった。

  ワークスアプリケーションズは日本の大手企業に特化したERPパッケージソフトCOMPANYを開発・販売している企業。1996年7月に創業し、2001年12月にJASDAQに上場している。

ワークスアプリケーションズ 代表取締役 最高経営責任者の牧野正幸氏

  当初、ワークスアプリケーションズでは中間期の業績を売上高39億4700万円、経常利益9億5400万円、当期純利益5億5400万円と予想していたが、1月16日に下方修正していた。業績が予想を下回ったことについて、ワークスアプリケーションズ 代表取締役 最高経営責任者の牧野正幸氏は、「営業要員の配置転換が主な要因」と説明する。

 同社では今まで、パッケージソフトを導入するためのコンサルタントが不足しており、業績拡大のネックとなっていた。そのため今中間期では一部の営業要員をコンサルティング要員に振り分けた。また、営業要員の一部は同社が2003年4月に発売したナレッジマネジメント用ソフトCOMPANY Knowledge information Portalなどを専門に販売したため、同社の中核製品であるCOMPANY人事・給与の営業が不十分だったという。

 また、COMPANY Knowledge information Portalは従来の同社の製品のようにコスト削減効果を訴えることが難しいため受注に至らなかったといい、今後は企業情報ポータル(EIP)としての機能を中心に売り込んでいくとしている。

「新規導入のうちシェア50%以上を目指す」

 牧野氏は、今後のEPRパッケージ市場予測についても紹介した。同氏によると、国内の大手企業4000社のうち、人事に関してパッケージソフトを導入している企業は約10%、会計に関しては約20%で、残りは自社開発している場合がほとんどという。これらの企業すべてにパッケージソフトが導入されれば、「今後10年〜15年の間に人事で約1440億円、会計では約3200億円のライセンス売上が見込まれる」(牧野氏)という。

 さらにこれらの企業から発生する保守費用として、10年後には人事で年間180億円、会計で年間450億円の市場が生まれると牧野氏は見込む。また、コンサルティングや教育に関しても人事で年間90億円、会計で年間225億円のマーケットになるという。

 これらの数値を踏まえた上で、牧野氏は「まだパッケージを導入していない企業にどれだけ新規でパッケージを導入できるかが重要だ」と話し、同社の全ての製品で、新規導入のうちシェア50%以上を目指すとした。

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