米IBMは8日(米国時間)、同社のJavaサーバソフト、WebSphereの開発者版をリリースした。これは、今年発売が予定される同ソフトのメジャーアップデート版の、はじめてのプレビュー版にあたる。
IBMは現在、この「テクニカルプレビュー版」を無償ダウンロードで提供し、開発者や他のソフトウェアベンダーが、新たに盛り込まれる機能を理解できるようにしていると、同社は述べている。新しいWebSphereの最終版リリースは今年後半になると見られている。
今回リリースされたWebSphere Application Server Technology for Developers version 6では、Java 2 Enterprise Edition(J2EE)バージョン1.4のサポートが追加されている。この機能により、プログラム言語にJavaを使ったWebサービスアプリケーションの開発が簡単になる、と同社WebSphere infrastructure担当のディレクター、Bob Sutorは述べている。
IBMと競合する米Sun Microsystemsは、Java標準をコントロールしているが、同社は昨年12月に、自社のJavaサーバソフトをJ2EE 1.4仕様に対応されている。
Sun Application Server 8.0と呼ばれるこのソフトは、同社のJavaサーバ製品のうちローエンドにあたるものだが、同時にJ2EE 1.4標準を実装した参照例ともなっている。なお、Javaのライセンスを取得した開発者は、この参照例を使って、J2EE 1.4標準への準拠の度合いを測ることができる。
今回IBMのリリースしたWebSphere 6の初期バージョンは、同社のJavaサーバソフトを簡易化したローエンド版にあたるものだ。同社は今年、WebSphere 6の別のバージョンをいくつかリリースしていく予定だが、これにはより先進的な機能が含まれることになると、Sutorは述べている。
WebSphereは今回のリリースで、「basic profile」と呼ばれる相互運用性のガイドラインに準拠した。basic profileは、標準化策定にあたる団体Web Services Interoperability (WS-I) グループがまとめたもの。「今回WS-I準拠となったため、Javaで書かれたWebサービスが、他のどんな言語で書かれたWebサービスとも、データをやりとりできるようになった」(Sutor)
Sutorによれば、WebSphereに新たに盛り込まれた機能のいくつかは、IBMが独立系ソフトウェアベンダ(ISV)に対して進めている取り組みに一役買うことになるという。同社は、このJavaミドルウェアをアプリケーション開発に使うようISVに働きかけてきている。
WebSphere 6には、Java Connector Architecture (JCA)へのサポートも追加されている。JCAは既存のバックエンドシステムに、Javaプログラムを使う方法を定めたものだ。これらの統合に向けた機能の改善で、ISVはこれまでより簡単に開発したアプリケーションと他のシステムと接続できるようになると、Sutorは述べている。
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