米Sun Microsystemsは来週、Javaアプリケーションサーバの無料バージョンをリリースする。より多くの開発者に、Javaベースのプログラム開発を奨励することが目的と見られる。
Sunのソフトウェア部門エグゼクティブバイスプレジデント、Jonathan Schwartzは13日(米国時間)、報道関係者に対して、Java System Application Server 8のリリース準備が整ったことを明らかにした。Java System Application Server 8は、Java 2 Enterprise Edition(J2EE)のバージョン1.4に準拠した初のサーバソフトウェア。これにより開発者は、Webサービス標準に合わせたアプリケーション開発をより容易に行なえるようになる。
これまでSunは、カスタムメイドのJavaアプリケーション実行に利用されるこのアプリケーションサーバを、1プロセッサあたり2000ドルで有償提供し、管理やフェイルオーバーのような機能のアドオンには、別料金をかけていた。
Sunが、アプリケーションサーバを無料でダウンロード可能にする計画を行なったのは、特に特徴のないJavaサーバソフトがコモディティ化してしまっており、価格でしか差別化できなくなっていることを認めたためだ、とSchwartzは述べている。
SchwartzはオープンソースのJavaアプリケーションサーバ、Jbossに言及し、「J2EEアプリケーションサーバはほとんど、JBossのように、コモディティ化している。(価格変更を)行なう目的は、開発者の基盤を可能な限り広げることだ」と述べている。
開発者は、Java System Application Server 8を使って、どんどんJavaアプリケーションを開発してほしい、とSchwartzは語った。
Sunは価格変更と同時に、J2EEコードの「リファレンス実装」のリリース方法も変更した。リファレンス実装とは、Javaライセンス取得者が、自分のアプリケーションがJ2EEに準拠しているかどうかをチェックできるツールセットだ。Java Applecation Server 8では従来のリリースとは異なり、リファレンス実装の形と、すぐに使える製品の形の両方で提供されるという。
Sunの幹部は、この他のソフトウェア計画の詳細も明らかにしたが、そのなかには業界や金融アナリストから懐疑の目を向けられているものもある。同社では、米Microsoft製品に代わる、より低価格で安全な選択肢の提供に賭けているのだ、と同社幹部は説明している。
同社はこの日、Java Desktop Systemのリリース予定を明らかにした。Sunは、オープンソースのコードをベースに開発したこのソフトウェアスイートを、12月3日にベルリンで開かれる同社のカンファレンスでリリースするとしている。この製品には、オペレーティングシステムと、ワープロや表計算をはじめとするビジネス用アプリケーションが含まれる。価格に敏感な、各国の政府や非営利団体を、主なターゲットにして、同社ではこの製品を販売していくという。
9月に同社は、Java Desktop Systemの価格を、1従業員あたり1年につき100ドルとし、またこのソフトを11月までには発売できるようにすると述べていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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