米IBMは、自社の開発向けプログラムとJavaツールを強化し、米Microsoftの進める「Windows-only」戦略に対抗しようとしている。
IBMは10日(米国時間)、同社のウェブサイトDeveloperWorksを改訂したと発表した。新しいサイトでは、検索機能が改善されている。また同サイトでは、これまでの開発サポート用ウェブサイトとRational部門の顧客向けに維持されていたサイトが、1つになっている。
同社は1年ほど前に、開発ツールメーカーの米Rationalを20億ドルで買収している。
IBMのdeveloper relations部門の統括マネージャであるBuell Duncanは、同社はさらに、開発者のトレーニング用プログラムの数を、今年の120から来年は400に増やす予定である、と述べた。IBMでは、自社のツールを使う、企業やソフトウェアベンダーの開発者を増やすことで、完成したアプリケーションを走らせるためのソフトウェアやハードウェア、サービスを販売する機会を増やしたいと考えている。
開発ツール強化のための戦略が本格的に始まったのは3年ほど前であるが、IBMは、いまその取り組みを加速させたいとDuncanはいう。同社は、Microsoftが販売するWindows指向の開発プログラムの対抗馬として、業界標準ならびにオープンソースを基本とするアプローチを売り込んでいる。
「ますます多くの開発者が、Microsoft製品に代わるものを欲している。いまはまさに、こうした機運を盛り上げ、次の段階へ進めるときだ」(Duncan)
IBMの幹部はまた、同社がRational部門の開発するアプリケーションのモデリングやテストのためのツールを、同社のポートフォリオにあるソフトウェア製品群と結びつける計画を加速したいと考えている、と述べた。最終目標は、同社のあらゆるツールが組み込めるような、1つのソフトウェア開発プラットフォームを作ることだ、と幹部はいう。
同社はすでに、Rationalのソフトウェアを、IBMのJava開発ツールであるWebSphere Studioと統合している。Rationalのツールは、プログラムの設計や運用前の評価に使われるもので、WebSphere Studioと同時に実行できるようになっている。WebSphere Studioは、主にコードを書くためのツールだ。
IBMのRational部門の統括マネージャであるMike Devlinによれば、同社は来年、Rationalツールシリーズの次なる主要なリリースを予定しており、これをJavaアプリケーションを実行するためのアプリケーションサーバWebSphereや、システムマネージメント製品Tivoliと結びつけるという。このような統合により、運用しているアプリケーションの問題を追跡しやすくし、より迅速に設計やコード変更ができるようにするという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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