米シスコ、ストレージ事業で米IBMと提携

 米Cisco Systemsは22日(米国時間)、膨大なデータの管理・保存用に米IBMのソフトウェアを利用したスイッチの販売を、まもなく開始すると発表した。

 12月に発売されるこの新装置は、IBMのTotalStorage SAN (storage area network) Volume Controllerと、CiscoのMDS 9000スイッチを組み合わせたもの。Ciscoのマーケティング担当バイスプレジデントであるSoni Jiandaniによると、この組み合わせによって、通常は分散しているストレージネットワークを一つにまとめられるため、ネットワーク管理のコストが削減できるという。

 「SANは当初、ストレージを、サーバーに直接付随する個別のリソースとして管理することから生じる、複雑さやコストの問題を解決する目的で開発された。今日、我々はすでに次の段階におり、企業は分散する小さなSANを、もっと大きくインテリジェントなネットワークに統合することで、さらに大幅な運用効率の向上やコスト削減を目指している」(Jiandani)。

 この新装置は、活況を呈するストレージ市場の現状を示す新たな印といえる。2001年9月11日の同時多発テロ以来、企業がますますディザスタリカバリシステムの構築に興味を示すようになってきたこと、そして情報の保護を定めた政府の新しい規制が実施されたことで、SANの導入はいまブームとなっている。調査会社米Gartnerの予測では、昨年約12億ドルだった企業のSAN関連機器購入金額が、2006年までに48億ドルに増加するという。

 今回発表された新製品は、CiscoとIBMが提携して販売する一連の製品のなかで最新のものとなる。IBMは、CiscoのMDS 9000スイッチに関して再販業者第1号となっており、現在は共同でAXA GroupのためにSANを立ち上げようとしている。また、IBMは今夏TotalStorage SAN Volume Controllerの単品での販売を開始している。

 ネットワーク上のトラフィックを管理するスイッチやルーターの販売で成長したCiscoにとって、SANは同社が新たに取り組む6つの新市場の1つである。Ciscoはルーター・スイッチ市場で首位を守るいっぽう、約2年前から10億ドル単位の収益を見込める6つの新市場への参入を始めている。同社は、昨年SAN市場に参入し、競合する米Brocode Communicationsや米McDataを、向こう3〜5年で追い抜く計画を立てている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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