サンフランシスコ発−米Oracleの最高経営責任者(CEO)、Larry Ellisonは米国時間9日、米PeopleSoft買収の決意を重ねて強調した。ただし、この敵対的買収の提示額を上げることに関しては、かなり用心深くなっているようだ。
9日、OracleがPeopleSoftを現行買収提示額である1株19.5ドルで買収できるのかと問われたEllisonは、「誰にもわからない」と答えた。
Ellisonは、開催中のOracleWorldの基調講演に続いて開かれた、記者発表会の席上で、このコメントを述べた。また、PeopleSoftの買収計画は決して終わったわけではないとも語った。
これは、Oracleが再度、PeopleSoftPeopleSoft株式公開買い付け(TOB)期限を延長する可能性があることを意味する。現在のTOB期限は10月17日に設定されている。Oracleは6月初めにこの提案を持ちかけて以来、米司法省がこの取引に関して独占禁止法に違反していないかの調査を行う間、すでに4回TOB期限を延長している。
このところOracleの買収提示価格は議論の的になっている。先週、PeopleSoftの株価が堅調に上向いて推移したため、PeopleSoftの投資家にとってOracleの提示価格の魅力が多少薄れたからだ。ウォール街がPeopleSoftとJ.D.Edwardsの合併に楽観的な見方を示したことから、PeopleSoftの株価は9日、18.82ドルの終値を付けた。
Ellisonは先週、PeopleSoftのCEO、Craig Conwayが行った「Oracleとの一件は終わった」というコメントを軽く無視した。そして、もしConwayが本当にそう感じるのであれば、PeopleSoftの顧客に、同社が買収されたときにのみ有効な返金保証プログラムを提供するはずがないと述べた。
その他にもEllisonは、グリッドコンピューティングとして知られる最新コンセプト実現に向けた同社の取り組みを長々と説明した。そして、ネットワーク上にある数百台ものサーバのコンピュータ能力をまとめるグリッドコンピューティングは、IBMが1964年にメインフレームを発表して以来の技術イノベーションだと売り込んだ。
Oracleのグリッドコンピューティングへのアプローチは、年末に発表予定の新製品ラインに組み込まれており、Ellisonによると、これらの製品は今日のコンピューティングの限界を打ち破るものだという。この限界とは、今日の複雑なビジネスアプリケーションがコンピュータ能力という点で頭打ちになっていること、処理能力の追加が高額であること、現行システムはシステムダウンしやすいことなどだと、Ellisonは考えている。
グリッドコンピューティングは、ライバルのIBMやMicrosoftも進出しつつある分野だ。Oracleの差別化要因は、OracleはSAP、PeopleSoft、Siebel Systemsといった様々なビジネスアプリケーションをより効果的に動かすことができる点だとEllisonは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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