米国レコード協会(RIAA)は、ファイル交換者を特定しようとする同団体の試みに挑んでいる、あるKaZaAユーザーに法的な集中砲火を浴びせ、彼女が重大な著作権侵害者であることに議論の余地はないと主張した。
RIAAは、米国時間26日にワシントンの連邦裁判所に提出した訴状のなかで、KaZaAユーザーの女性が、その身元を特定することを狙った召喚状に挑戦することに、RIAAでは反対するつもりはないが、ただしこのような動議は直ちに出されるべきだと述べた。これに先立って、匿名ユーザーの弁護士は、インターネットサービスプロバイダのVerizon Communications宛てに出されたRIAAの召喚状が、依頼人のプライバシーやその他の憲法上の権利を侵害していると論じ、訴訟の準備にもっと時間が欲しいと要求していた。
法的には、RIAAも「Nycfashiongirl」というハンドル名のKaZaAユーザーも、彼女が何をダウンロードしたのか、またいつ、どこでファイルを入手したのか、というような詳細について争うことにはなっていない。現在継続中の唯一の訴訟手続きは、彼女の身元を明かすことに関する召喚状だけで、これは別の論拠に基づいて判断される。
しかし、双方の申立ては、本物の法廷と同じくらい世論に対するアピールを狙っているようにも思え、また、両陣営ともまだ提訴されていない訴訟を巡って争っているように見える。先週、Nycfashiongirlの弁護士は、依頼人は音楽がすでに入っていたコンピュータを購入したあと、自分のCDを合法的にハードディスクにコピーし、KaZaAアプリケーションを使ってそれらの音楽を楽しんだだけだ、と法廷で証言した。彼女は、自分の音楽をネットワーク上の他のユーザーと共有できないように何度か試みた、と弁護士は主張した。
召喚プロセスそのものには関係がないと認めながらも、RIAAは訴訟過程の多くの時間を費やし、匿名のコンピュータユーザーが無実の犠牲者でないということを認めさせようとしている。申立ての文書によれば、Nycfashiongirlは実際に900曲以上の楽曲をオンラインで共有し、その多くはKaZaAやNapsterまで使ってダウンロードされたものだという。
来月に控えた多くの著作権侵害訴訟でも見られると思われる裁判中の一幕で、RIAAは召喚状に記載された少ない数の楽曲を見つけただけでなく、Nycfashiongirlの共有フォルダーのコンテンツ全部を検証出来たことを明らかにした。RIAAは曲名、アーティスト名、以前のファイル交換者によるメモなどのようなファイルに添付されていた「メタデータ」や、ファイルの中身さえ詳細に調べることができたと主張している。
RIAAによれば、一部のファイルは、今や存在しないNapsterサービスに対する訴訟で以前に特定されていた楽曲と、まったく同じ「指紋」や固有のデジタル特性を持っていたという。これらの点を考えあわせると、この匿名のコンピュータユーザーは「音楽の違法なダウンロードや配布に頻繁に加担した重要な参加者だった」と、RIAAは述べている。
Nycfashiongirlの弁護を務めるGlenn Petersonは、依頼人の現在の動議とは無関係だとして、これらの主張を退けた。依頼人のKaZaAユーザーは、Verizonを通して身元を明かすことを目的とする召喚状によって権利が侵害されたと主張しており、著作権侵害に関する訴訟を戦っているのではない、と同弁護士は語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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