ロンドンに本社を置く調査グループOvumの報告では、ソフトウェア市場は昨年も縮小を続け、2007年までに実質ベースでの回復があるとは思えないという。
Ovumが毎年公表するGlobal Software Surveyの中で明らかにしたところでは、ソフトウェア市場は2002年に5%の落ち込みを見せて1520億ドルに縮小した。この報告によると、下落率は低下しつつあるものの、市場は少なくとも2005年まで縮小し続けるという。
この調査では2005年には「小さな成長」を遂げる可能性が指摘されているが、通貨の騰落要因から誤解を招く可能性がある、とOvumでは話している。
Ovumの主任アナリスト、Julian Hewettは声明の中で、「通貨の変動が2003年の支出額を実際以上に良く見せている。ユーロに対してドルが2002年12月から15%下落しているため、2003年の実際の落ち込みはさらに1〜2%悪い」と語った。
インフレを加味するとこの話はさらに暗くなる、とHewettは加える。「実質ベースでの市場の再浮上は、2007年以降になる可能性が高い」(Hewett)
市場の成長はないかもしれないが、エンタープライズソフトウェアの流通に関する構造転換など、Ovumでは継続した変化はあると見ている。Hewettの考えでは、Webサービスは「破壊的技術」であり、企業が個別ソフトウェア製品の購入を控えて「サービスベースのアーキテクチャ」へと移行し、アウトソーシングやASP関連の見通しが明るくなるという。
この下降傾向に逆らうのが、セキュリティ、ビジネスインテリジェンス、ポータル、そしてコンテンツ管理だ。報告によると、ビジネスインテリジェンス企業のCognosなどでは、売上高が今年になって25%伸びているという。一方、外出の多いビジネスマンやワイヤレス製品をサポートする企業には「非常に高い関心が集まりつつある」ともしている。
あまりにも多くの企業が規模の小さい市場でシェア争いを演じる業界では整理統合が'一般化しており、Hewettの言うOracle/PeopleSoft/JD Edwardsの「三角関係」もこれによって説明が付く。Ovumではこの傾向が続くと見ており、特にソフトウェアのインフラで顕著だという。
「EMCによるLegato買収が口火を切った」(Hewett)
この報告によると、昨年のトップ5ソフトウェアベンダーは、売上高で見るとMicrosoftがトップ(259億ドル)で第2位以降がIBM(131億ドル)、Oracle(69億ドル)、SAP(68億ドル)、そしてHewlett-Packard(26億ドル)と続く。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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