オンラインCRMサービスの準備を進めるシーベルとIBM

 米Siebel Systemsと米IBMがCRM(顧客管理)ソフトウェアのホスティングサービス開発を進め、Siebelが2年前に断念した開発を復活させようとしている。

 このプロジェクトに詳しい情報筋によると、Siebelの業務アプリケーションをIBM Global Services(最大手コンピュータベンダーであるIBMのコンサルティング事業部)がホスティングするサービスを両社で市場に投入するという。この情報筋によると、計画が変更される可能性はあるものの、両社ではこの新サービスを早ければ数週間以内に発表するかもしれないという。

 さらにこの情報筋によると、Salesforce.comやUpshotが提供する同種のサービスのように、SiebelとIBMの提携ではSiebelの巨大CRMアプリケーションをスリム化したバージョンを、定期利用料を徴収してWeb経由で提供するという。

 アプリケーションホスティングサービスは、ソフトウェアのインストール、メンテナンス、サポート、そしてアップデートをベンダーに任せることで、ソフトウェア購入時の面倒と導入コストを取り除けると謳われている。このようなサービスを提供するアプリケーションサービスプロバイダー(ASP)は、ソフトウェアの運用とメンテナンスを自社施設にある自社の機器で行うため、法人顧客はインフラ関連コストも削減できることになる。

 Siebelでは1999年に「Sales.com」という同様のサービスを立ち上げたことがある。一旦はこの不採算事業部を別会社としてスピンアウトさせたSiebelだったが、その後この事業部を吸収し、2001年には結局これを閉鎖してしまった。同社は当時、小規模な企業をターゲットにしたSales.comの閉鎖について、大規模カスタマーに集中するためとしていた。

 だが、Siebelが断念したタイミングはあまりにも早すぎたようだ。未公開企業として登場し、CRMアプリケーションのホスティングを始めたASP数社は、現在利益を計上している。たとえば、Salesforce.comが先日明らかにしたところによると、同社は今四半期初めて黒字に転換し、Siebelの顧客数社からも契約を獲得し始めているという。また、Oracleでも最も早い成長が期待できるビジネスとして「Oracle Outsourcing」という同様のサービスをしきりに宣伝している。同サービスを利用する企業数の詳細は明らかにしていないものの、Oracleでは20万人以上の個人がこのソフトウェアを利用していると大々的に宣伝している。

 さらに、IT調査会社のForresterは、ホスティング版CRMの売上増加ペースは従来からのライセンス版CRMの売上増加ペースを4年以内に上回るが、しかしホスティング版の売上高についてはCRMソフトウェア市場全体から見ると数パーセントにとどまるだろう、と予測している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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