米国5月のコンピュータ小売部門の売上高は、ノートPCが牽引して好調だった。
米国の小売販売の動向を調査しているNPD Techworldの最新データによると、ノートPC全体の5月の出荷台数は、対前月比で33%増、対前年同月比で58%増となった。コンシューマー向けノートPCの売上高はデスクトップ製品を上回ったが、但し出荷台数ではデスクトップに及ばなかったと、同社では述べている。
小売店で購入する一般消費者や小規模企業などの間では、ポータブルコンピュータへの人気がますます高まっている。アナリストによれば、購入者の多くが古いデスクトップマシンから買い替える際に、多少高くてもノートPCを選択しているが、これは持ち運びに便利なことと、所有するステータスを求めていることが理由だという。
ノートPCは、平均小売価格が過去最低になったものの、出荷台数および売上高は過去最高を塗り替えた、とNPD TechworldのアナリストSteve Bakerは述べている。
ポータブル製品の売上高は、一カ月間に小売販売された全コンピュータ製品の54%を占めた。ノートPCは月間ベースで過去最高となる記録的な売上高を達成し、小売販売されたコンピュータ全体の40%まで売上台数を伸ばした。
出荷台数の増加は、平均小売価格の低下も埋め合わせた。5月におけるノートPCの平均小売価格は1294ドルに下がったとBakerは述べる。この金額は対前月比75ドル、対前年同月比で250ドルの下落を示しているが、平均小売価格そのものが1300ドルを下回ったのは初めてのことだという。
ノートPCの売上高と出荷量の増加とともに、デスクトップPC向けのフラットパネルディスプレイの出荷量も急増しているが、これはハードウェアに対する顧客の姿勢が変わりつつあることを物語っている。ノートPCもフラットパネルも、それぞれ従来のデスクトップPCおよびCRTモニターより高額だが、それにもかかわらず、大勢の消費者がポータブル製品とスリムなディスプレイに飛びつく理由について、Bakerは「消費者が高い価値をそこに見出しているからだ」と指摘する。
「価値の高い技術に対しては、消費者が財布の紐を緩める意志があることは確かだ」とBaker。「しかし、ここでの価値とは、単に安いだけということではなく、適正価格であるかどうかを意味している」。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス