米IDCが行った米国プリンタ市場の最新調査によると、2003年第1四半期において、米Hewlett-Packard(HP)が市場で優勢を維持しているものの、同社のシェアは前期比5%減の54%に下がった。
HPのシェア下落について、アナリストは「必ずしも下落傾向の始まりを示すものではない」と説明するが、利益の大半をプリンタなどの周辺機器から得ているHPにとって、シェア下落は軽視できない問題である。ただし、54%という2003年第1四半期のシェアは、前年同期の45%と比べると依然として高いことは確かである。
IDCのリサーチマネージャー、Claudio Checchiaは「HPのシェア下落は、大きな下落傾向を示すものではない。おそらく、需要の季節変動によるものだろう」と語る。
HPのほかにも、米Lexmarkが前年同期比でシェアを下げたのに対し、ライバルのエプソンはシェアを伸ばしている。Lexmarkは2002年第4四半期に13%を上回るシェアを獲得していたが、2003年第1四半期には12%強に下落した。これに対し、エプソンのシェアは前期の15%から16%に伸びている。2002年にはシェア第3位だったエプソンが、Lexmarkを追い抜いたことになる。
HPは、同社が最大出荷台数を誇るインクジェットプリンタの分野でもシェアを下げている。2002年第4四半期は58%あったシェアが、2003年第1四半期には53%にダウンした。これらのシェア下落について、HPは、「米国でのシェアは下がったが、海外でのシェアは上昇している」と説明している。「インクジェットプリンタのシェアは、欧州では前期比3%増の46%、中南米では同9%増の48%、アジア太平洋地域では同4%増の31%にそれぞれ増えている」(HP)
HPのイメージング・プリンティング事業で、販売/マーケティングのバイスプレジデントを務めるChristopher Morganは、「2002年第4四半期の実績が飛びぬけてよかっただけで、懸念材料はない」と語る。また今年3月には、ライバルの米Dell Computerもプリンタ市場に参入しているが、そのことの影響も見られないという。「Dellの市場参入で影響を受けるのはHPではなく、むしろDellのプリンタを製造していたLexmarkだろう」(Morgan)
2003年第1四半期における米国のインクジェットプリンタ市場は、前期に比べ15%落ち込んでいる。その要因は、前期に、1年で最も需要の高まるホリデーシーズンがあったこと。さらには従来のプリンタ単体機から、プリンタ/スキャナ/コピーの機能を兼ね備えた、インクジェット複合機(MFP)への移行が続いたことも要因。ちなみに、複合機の市場は順調に拡大している。複合機は2003年第1四半期に250万台を売り上げており、インクジェットプリンタ単体機の半数近くにまで増えている。1年前における複合機の販売台数は130万台。インクジェット単体機との比率は1対4だった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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