調査会社の米Dell'Oro Groupが米国時間5月13日に発表したレポートによると、販売停滞期にあたる第1四半期において、無線LAN機器の売上高が昨年の第4四半期と比べて1%増の4億1100万ドルに達したという。出荷台数ベースでは同6%増の480万台となる。
この市場分野が全体の売上高を伸ばした要因は、「同期に出荷が開始された802.11g無線LAN製品にある」(Dell'Oro Group)という。802.11g製品は、金額ベースで市場全体の16%、出荷台数ベースでも17%を占めている。なお、802.11gは最新の無線技術、2.4GHz帯で最大54Mbpsのデータ伝送が行える無線LAN規格である。802.11gは、同じく2.4GHz帯で最大速度が11Mbpsの802.11bとも互換性を持つ。ちなみに、802.11b製品の市場全体におけるシェアは81%あるという。
Dell'Oro GroupディレクターのGreg Collinsは、「通常、第1四半期の売上高は前期より落ち込むものだ」と語る。「昨年の第1四半期の売上高は、前期から3%下落した」(Collins)
つまり、第1四半期で売上高が増加したということは、802.11ベースのアクセスポイント、ネットワーク・インターフェース・カード(NIC)といった機器が転換期を迎えていることを示すという。
802.11g技術に準拠した製品はすでに市場に出回っているが、最終仕様の標準化作業はまだ終わっていない。もし最終仕様が、予定通り今夏に承認された場合、製品がリリースされるのは8月ごろになると考えられる。「今年一番の目玉は、802.11gが(802.11bの)市場とその後の標準化作業に与える影響だろう」(Collins)
Dell'Oro Groupは2003年における無線LAN機器市場について、「売上高は前年比20%増の19億ドル、出荷台数ベースでは同60%増」と予測している。
また来年は、802.11gと802.11aを組み合わせた製品がこれまで以上に多く出回るとも予想している。802.11aは5GHz帯の周波数帯域で最大54Mbpsのデータ伝送を行なう無線LAN技術である。「今年の第1四半期に、802.11gと802.11aを組み合わせた製品が少しずつ市場に入っている。しかしデュアルバンド市場の成長が本格的に始まるのは来年だろう。そのころには製品の価格競争力も高まっている」(collins)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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