The Wall Street Journal(WSJ)によれば、中国聯通(China Unicom)はAppleと連携して、Wi-Fi機能を標準搭載した「iPhone」をようやく発売する見通しであるという。
iPhoneは2009年10月に中国で発売されたものの、Wi-Fi機能が搭載されていない。中国の規制では、中国が独自に標準無線規格に定めるWAPI(Wired Authentication and Privacy Infrastructure)を採用していないWi-Fi機器の販売は一切禁止されてきた。その結果、Appleは中国市場への参入を遅らせないためにも、Wi-Fi機能を搭載しないiPhoneの発売を余儀なくされた。
しかしながら、規則緩和によって、WAPIが同時に搭載される場合に限り、中国でもWi-Fi機器の販売が可能となる。
China Unicomの会長であるChang Xiaobing氏は現地時間3月6日、全国人民代表大会で報道陣に対して、規制の変更によって、Wi-Fi機能を内蔵した新たなiPhone販売への道が開かれたと語ったことを、WSJは伝えている。
同氏は、新たなiPhoneの発売日などの具体的な情報は示さなかったものの、現在のWi-Fi機能が非搭載のiPhoneユーザーに向けては、より3Gネットワークへのアクセスを拡大することで補償していく方針であると述べている。
中国におけるiPhoneの販売は好調だが、いくつかの要因で抑制されてきたようでもある。WSJによれば、中国でのiPhoneの販売価格は730〜1020ドルとなっており、グレーマーケットのスマートフォンやiPhoneのコピー商品よりもはるかに高額であるという。また、Wi-Fi機能が非搭載となっているため、中国のiPhoneユーザーは、高価な3G接続を利用せざるを得ない。Xiaobing氏は、中国でiPhoneを所有するにはコストがかさむことを認めて、可能な限りコストの低下に努めていく方針であると語っている。
China Unicomは、現在のところは中国でiPhoneを提供する唯一のキャリアとなっているが、Appleは、中国移動(China Mobile)との交渉を開始しては中断し、また再開するといった流れを繰り返してきた。
一方、China Unicomは、「Android」を搭載したスマートフォンを販売する方針も示唆している。中国におけるAndroidが搭載された携帯電話の発売は、Googleと中国政府の間で関係がこじれたことを受けて、2010年に入って延期されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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